デザイン/マーケティング思考

プランニングを行う際はバイアスに用心

先回、販売に関するマーケティングの世界では有名な経済学者セオドア・レビットが述べた穴を開けたいと考える人はドリルを購入することではなく、その人が課題としている穴を開けること、そのものを考えなければならないという例をあげ考える必要があると述べました。
商品や製品を考える場合、先程述べたように人が必要とする課題につながっているものが何かと問い、その本質がどのようなものかを考える必要があるのではと思います。
どのようにすれば、消費者の課題解消につながるかを考えて行くのかがサービスや商品・プランナーの仕事の本質だと考えています。
ブログを読んでいる方は「そのようなことは分かっているよ」と言われるかも知れませんが、案外と灯台もと暗しということ言葉があるくらい確証バイアスが掛かっている場合もありますから注意しなければなりません。
プランナーは、基本を徹底してみる
先ほど述べたように企業のプランナーやフリーのプランナーは自己の確証バイアスに注意をしながら業界の市場動向や消費者行動を考えてプランを立てなければなりません。
また、プランナーは消費者が欲するサービスや商品に対して、どうして消費者がそのサービスや商品を欲しがるのかワケを深く理解する必要があります。
またサービスや商品を考える場合に、プランナーはターゲットとなる消費者の所得を考えばければなりません。
消費者には、高所得者と中間所得者並びに低所得者という所得の階層が歴然と存在しています。 
所得の低い階層の人では、自動車を購入するにも所得に身に合った車を求めますから 800~1000 万円の 高級自動車には手が出ないと思います。 
人の欲求を単純化し所得を表したものが、アメリカの心理学者のエイブラハム・マズローの欲求の 5 段階 の理論があります。 
・生存の欲求:5段階の中で最下位階に位置し、人の基本の生存欲求、食べる、眠る、排泄する生理的欲求 です。 
・安全の欲求:5段階の中で最下位階から2番目に位置し、安全に暮らしたい欲求=身の安全や安定を求め る安全欲求、下位階層です。 
・社会的欲求:5段階の中で中間の階層に位置し、人はどこかの社会的な集団に属したいと思い自分を受 け入れてくれる仲間や集団を求めます。 
・自我の欲求:5段階の上から2番目の階層に当たり、人は資格、承認などの欲求=他人から認められたり 尊敬をされたい思い尊重と承認の欲求になります。 
・自己実現の欲求:5段階の中で最上階層に当たり、自らの才能や能力で可能性を開花したいと思う自己 実現をしたい欲求になります。
マズローの説明では、取りあえず所得が高ければ高いほど欲求度も精神的なものを求めるようになってくるようです。
しかし、人の存在はそう単純なものではないと私は思っています。
なぜ、そのようなことを述べるかというと幾ら高所得者でも身体的苦痛は精神的苦痛と同じかそれ以上になると考えています。
人の快と不快
人に於けるニーズの快・不快の濃度は消費者の所得階層によって異なることをプランナーは理解していなければなりません。
消費者の所得階層によって人の快・不快のニーズの度合いも大きくなることは誰でも想像はつくと思っています。
消費者が得ている収入によって購入するサービスや商品その物の違いがあり、それによってサービスや商品に対するニーズの強さの違いも出てくると考えます。
消費者の所得が低ければ低いほど日用品の購入でも消費者はよく吟味し考えながら購入をすると思います。
反対に所得が高ければ購入した日用品に関して金額をあまり気にかける必要がなくなると考えています。
また、プランナーは収入の階層と快・不快の項目を常に考えてサービスや商品のプランを立てる必要があると思います。
私が今までの仕事の経験に於いて快・不快に関してのニーズの強さは、どちらかというと快よりも不快を解消したいと思うのが人だと思います。
人は、ドーパミンなどの快楽ホルモンで快を得る報酬回路というものが備わっていますが、不快を感じるコルチゾールなど苦痛の方がより人は強いと私は思っています。
プラニングに於いては、とにかく如何に人の快と不快に関してもう一度改めて考えてみることがマーケティングに対しての基本だと考えています。

出典:wikipedia.「自己実現論」

今回もデザインとマーケティングを読んで頂き、誠にありがとうございました。
これからもプルーゲンのブログを宜しくお願いします。
文 / デザイン・マーケティング担当 太田正信

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