ヒューマンスキル

無意識とは

今回は無意識に関して少し述べたいと思います。
辞書で無意識を調べると「意識がないこと。自分のしていることに気づかないこと。はっきりとした自覚なしで行動すること」などと述べられています。
以前、バイアスについても色々と述べていますが、これも意識せずに行う思いや行動に関することだと思 います。

以前、バイアス数に関してブログの中で100 以上あると述べたことがあります。
今、市井の書店でも無意識下に於いて行動してしまうことに関する心理学の認知バイアスや行動経済学に関する書籍が多く棚に並んでいます。

行動経済学も無意識下に於けるバイアスやヒューリスティック、ナッジなど矛盾した人の行動を利用した方法論を述べたものだと思います。

私も仕事がら認知心理学のバイアスなどを個人的に色々と調べております。
例えば、テレビで流れている食べ物の C M を何気なく見ていて、次の日にお腹が空いたからお店で昨日流れていた C M の食べ物を購入してしまうことがあるそうです。

このように自分で意識的に購入した食べ物も無意識下で購入を決めているようなことが起きます。
このように自分で意識的に決めいるように感じても無意識によって決めていることが多くあります。

ベンジャミン・リベットが 1980 年代に人間の自由意思についての実験で調べています。
人が目の前の出来事ことを目撃してそれを意識するのは 500 ミリ秒後になるとされており、また自分が行おうとする自由意思に基づいて行動を起こそうとすると無意識下に於いては350 ミリ秒前に身体で準備が 出来ているとされています。
意識に昇るのは 200 ミリ秒後なるとされています。

簡単に説明すると人が生理現象を催した時に意識する前に身体に於いて無意識下でトイレに行く準備が出来ているとしています。
いちいち物事の処理を脳が意識していたら一瞬一瞬、脳に入ってくる五感による膨大な情報に関して処理が追いつかないともいわれています。
それほどまでに人は無意識の力によって生理的なことなどを含めて上手く制御されているようです。

無意識の力は意外に大きい
案外、人の行動は一年を通して 80% 以上変化がないとされています。
あなたの一日の過ごし方を改めて考えて貰えればよく分かると思います。
細々したこと除いて起床から就寝するまでの時間が大きく変わることがないと思いますが如何でしょうか。

その理由は、人の生理などを維持する恒常性維持機能(ホメオスタシス)の力だとされています。
あなたにとって、良くも悪くもこの恒常性維持機能があるために問題なく生きていることが出来ています。
しかし、厄介なことに多くの人は余り生活に於いて大きな変化を望みません。
人は、自分が感じているコンフォートゾーン(安全領域)という慣れ親しんだ快適な空間や過ごす時間が心地良いために、このことから誰しも変化は嫌なのです。

だから余程のことが無い限り人は自分の過ごしている環境などの大きな変化に対して意識的な態度を取りますが、自分では 感じ取っていないかもしれません、それは無意識下に於いての抵抗を示します。
それほど人が持っている無意識の力は大きいのです。

市井でよく語られる言葉で「相手の考えはそうそう変わらないから、自分が考えを変えたほうが早い」と聞きます。
その人が持っている固定的概念はそうそう変わらないように他人がコンフォートゾーンから抜け出すことを願い期待しても余り意味がありません。
それよりもあなた自身が科学的なエビデンス(根拠)を持った手法を使ってコンフォートゾーンから抜け出し変化を求めた方が自分自身なりの成功や夢に近づくと考えます。

尚、自分自身の成功や夢に対して行動を無意識下から変化させるためには、それなりの決意と数ヶ月必要になると考えて下さいね。

少しでも自分の無意識を変化させることが、それほど難しいことに挑戦することなのです。
多くの人がダイエットで失敗していることもマスメディアの情報でよく知られていると思います。
私も甘い物が大好きなのですが、体に少し悪いと知りながら甘い物を見ると無意識的に購入している次第です。
私も自分の無意識と常に戦っておりますが、なかなか相手は手強く私の負け試合が続いておりますが。
今まで、頭に染みついた自分の脳のクセなので大変だと思いますがあなたも頑張って下さい。

今回もブログを見て頂きありがとうございました。

出典:2005 年 7 月 27 日. 株式会社岩波新書(刊). ベンジャミン・リベット(著).下條信輔(訳)「マインドタイム」

文/デザイン・マーケティング担当 太田正信

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