ヒューマンスキル

会話を考える

辞書で会話について調べると「向かいあって話しあうこと」「話しを交わす」「二人または数人が互いに話したり聞いたりして共通の話しを進めること」「その話しの内容」など述べています。
世の中に自分と同じ個性や価値観を持っている人は誰一人いないことは、常識的な人であれば分かっていると思います。
よく考えれば、双子であっても遺伝子が違うように人よって家庭環境・教育環境・年代の相違、性差の違いもあります。
よく巷で聞く言葉があります、「相手とよく話せば分かる」などといわれていますが本当なんでしょうか。
私は「相手と話せばよく分かる」とは今は考えていません。
随分昔になりますが、仕事の中で連れ合いと色の名前について話していた時、色の「赤」について話していました。
「赤」を指す言葉は便利で「赤」そのものについては、幼児以上であれば誰でも色の映像として「赤」のイメージが脳裏に浮かびます。
しかし「赤」は赤でも、深紅の赤のイメージが浮かぶ人や朱赤のイメージが浮かぶ人もいるのではと色の言葉のイメージについて色々と会話していたことを覚えています。
偶然ですが、最近テレビ番組の中で以前話していた「赤」の色のイメージについて作家が同じこと語っていました。
その作家曰く、言葉そのものが曖昧なものだから人によって受け取り方のイメージが違ってくるのは当たり前だと話していました。
話し言葉はとても便利なのですが、言葉そのものが曖昧であり、人はバイアスを持っています。
そんな中で、話し言葉で相手の心意そものが伝わると考える方が根本的に間違いだと現在考えています。
それ事態が話せば分かるという確証バイアスに陥っているのではと思ってしまいます。
人は千差万別です、相手によって受け取り方が違いますから、何でもかんでも人に一律的に言葉を伝えることが違っているのではと思います。

質問で相手を観察
会話の中で相手の言葉をよく聞き取りながら、相手の価値観や性格を把握することに重きをおくことが大切だと考えます。
会話に於いて、中には色々相手に質問する人を嫌う人もいますが、会話に関して質問が少ない相手よりも質問が多い相手に対して親近感を持つ人が多くいるとされている研究があるようです。
普通よほどのことが無い限り自分の仕事のことや趣味に関心を持って質問をしてくる人に悪いイメージを持つことは少ないと思われます。
やはり相手に対し親しみや興味を持ちながら相手のことに関して様々な角度から質問をすることに尽きると考えます。
特に商談では最低でも 4~5 個の質問を考え持つことが大切なのではと思います。
慣れないと少し大変だとは思いますが、会話をしている中で相手のノンバーバルコミュニケーションから発せられる表情や仕草、動作を確認して相手の気持ちを読み取るようにします。
なるべくリラックスさせるような会話内容を考え相手の表情を中心に観察します。
観察をすると、特に人は表情に感情が表れやすいので分かりやすいと思います。
相手の表情が少しでも顔をしかめたり、曇るようなら質問や話題を変えて会話を続ける方がよいと考えます。
また、お互いに興が乗って会話がはずんでもなるべく自分から話しを終わらした方が会話の後味もよく済 みます。
このような相手への気遣いも会話では重要です。

会話での言葉を選ぶ

特に近年のビジネスでは、経済やマーケティングなど専門用語を記事で見たり人々の会話の中で聞いたりしますが、何でもかんでも仕事の中で専門用語を使うのも良し悪しだと私は考えます。
日頃から仕事の中で専門用語を使っている人同士なら分かりもします。
特に現代人は日頃から仕事で忙殺されています。
物事に対して脳の構造では好きなこと以外では、難解なことや面倒なこと対してストレスを持ちやすく、できる限りストレスなく過ごしたいと無意識に感じています。
脳は認知負担が掛かることがとても大嫌いだということです。
自分が普段専門用語を使っているのだから相手も分かるだろうと考えるのは、もはや自分自身が確証バイヤスに陥っていると考えても差し支えがないと思いますが...。
相手に対し全て専門用語を使えばと自分が物知りだと思われると考えるのも私は欺瞞さえ感じてしまいます。
本当の物事が分かっている方は、人に対して専門用語を使わずに相手になるべく分かりやすい言葉で伝えるのではと考えています。
特にビジネスの世界では、様々な人々が多岐にわたり色々な業界で活躍しています。
コンサルティングの仕事を行っていると専門用語や業界用語も多く、話しの中によくでてきます。
相手に対して、専門用語や業界用語を使う際には相手がどのぐらいの専門性があるのか、また業界歴がどのぐらい長いのかによって理解度が違ってくると考えます。
会話に於いては、個人差よって想像力や認知力の違いもありうると思っていますから、慎重に言葉を選ぶことが肝要です。
先程述べたように相手と言葉を交わす時、人は誰しもが持っているバイアスなどに陥ってしまうことが、ありますから自分自身も注意をしたいところでもあります。
社内の話になりますが、少し前に弊社代表の鈴木と電話でのやりとりに中に、正確に伝わらなかったこと について、あらためて先日コミュニケーションについて話しをしていました。
特に重要な仕事の指示に於いては、相手と「言った、言わない」と水掛け論にならないためにも書いて相手に渡すことだと結論に達しました。

今回もヒューマンスキルを読んで頂き、誠にありがとうございました。
これからもヒューマンスキルのブログを宜しくお願いします。

文 / デザイン・マーケティング担当 太田正信

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