ヒューマンスキル

人との距離は、こころの距離

今回は、まず人と人の距離感の心理について少し述べいと思います。
多くの人が交通機関を使い勤め先や学校に通っていると思います。
当然、満員電車では人との距離感なんて全くありませんから不快感ばかりが残りながら目的地に向かいます。
本来、人は心理的な観点から考えてもパーソナルスペースが必要となります。
たまに空席が多く目立つ電車に乗ってノンビリしているところに2人掛けの席の隣にワザワザ座って来るような人にも遭遇しますが...
また、横並びの席で自分の座っている席幅よりも股を広げて座っている男性がいます。

行動心理学等では、縄張り意識の強さが出ていることを示します。
このような行動を取る男性諸氏の心を観察すると「縄張り意識強い」「自己中」「自己顕示欲が強い」「支配力が強い」などが表れてきます。

それほど人間にとって、パーソナルスペースは周囲の雰囲気などを含めてその場の気分とも関係してきます。
一般的に他人が自分に近づいてくる時、空間的な距離感が近いと不快感があります。

最近は、余り仕事の中で聞かれない言葉ですが、昔は仕事の話で諸先輩達が「あいての懐へ飛び込め」と「あの社長の懐刀は○○さんだ」とか私の周りでよく聞いた覚えがあります。
懐を辞書で調べると「心の中」「胸中」「腹」などの意味になります。
たまたまかも知れませんが、私も数年お付き合いがあるクライアントの男の方に声を掛け呼び止めるために肩に軽くタッチをしたところコンマ 0.01秒ほどですが少し怪訝な微表情をされた覚えがあります。
その時に私の中で「普段、フランクに振る舞って見せているようでも、この方は人一倍警戒心が強い方だったんだ」と理解しました。

このような経験もあり、心理学者達が様々な研究をし提唱している本当の対人距離とは、その人が思うこころの距離を示していることがよく分かると思います。

武道で間合いを詰めるという言葉があります。
間合いを詰めるを辞書で調べると「、時間」「空間」「距離」などを近づけるという意味になるようです。
セールスパーソンも対人ビジネスの場面で、相手との間合いを詰めることができれば相手と親しくなれるということに繋がります。
常にヒューマンスキルの中で伝えているように相手を見極める観察眼を養うことが必要になります。

パーソナルスペースの意味とは

パーソナルスペースを心理学論的に心理学者の中島義明氏達が編集した書籍で説明をしています。

環境心理学者ロバート・ソマーはパーソナルスペースを「個人を取り巻く目に見えない、持ち運び可能な境界領域で、そのなかに他者が入ると心的不快を生じされる空間である」と提唱した。 分かりやすく例えると私達人間にとっては、重要的なパーソナルスペースといわれる絶対的距離感があって見知らぬ人が近寄るだけで人にとっては、不愉快な気持ちになりうるとしています。

距離感の 4 つの分類

人と人の空間的距離には、親しい人との親密な距離と同じように余り親しくない相手との物理的距離と相関 の関係が存在します。
そのことをアメリカの文化人類学者のエドワード .T. ホール博士が 1966 年にプロクセミックス(近接学)とし、個人的距離感をパーソナルスペースの4分類として提唱しました。

パーソナルスペースの 4 分類

エドワード .T. ホール博士が提唱しているコミュニケーションに於いてパーソナルスペースの有効活用を考えながら日々のビジネス活動に於いて意識をしたものです。
人が話す言語のパラコミュニケーションも重要ですが、今回述べているパーソナルスペースで相手を感じ取るノンバーバルコミュニケーションもとても重要なことなのです。
特にセールス活動を中心にしている方の今後、人の理解を深めることの参考になればと思います。

出典:1999 年 (. 刊)株式会社有斐閣 (. 編集)中島 義明・子安 増生・繁桝 算男・箱田 裕司・安藤 清志 . 「心理学事典/パーソナルスペース.P687」・1994年.(刊)株式会社ナツメ社(.著)渋谷昌三「.今日から使える人間関係の心理学 .P175」・フリー百科 wikipedia.「パーソナルスペース」

今月もヒューマンスキルを見て頂きまして、誠にありがとうございました。

文/デザイン・マーケティング担当 太田正信

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