ヒューマンスキル

人は認知バイアスのかたまり

今回は、認知バイアスについて述べてみたいと思います。
認知バイアスとは、人が物事を判断する際に直感や先入観念によって合理的に基づく判断ができないことを指します。

これも以前に書いたと思いますが、私自身は一般的なコンサルタントといわれるような職業に似つかわしくない髪型の長髪をしています。
人は見た目が8割といわれるほど、服装や髪型、持ち物、職業、肩書きで相手のすべてを判断しようとしてしま います。

当然、動物が持った本来の視覚優位からくる防御本能の警戒心などからだと思いますが...
しかし、残念ながら人として相手とミュニケーションを図ってもなかなか相手の能力や性格で判断しようとしません。

仕方がないことですが、人は誰も彼も教育や環境の刷り込みによって認知バイアスを持ってしまいます。
人は、その自身の物の見方のフレームで現実という世界の価値観でみています。
この固定概念は中々他人には、変えることはできません。
では、本題へ

人に潜む認知バイアスを考える

私が販売成績を伸ばすため書籍や論文を探して心理学を勉強し始めた時期にすぐに分かったのが営業手法に於いて認知バイアスを利用していることでした。
近年では、web で検索すれば心理学のためのサイトや企業、個人が書いているブログなどでも認知バイアスについて様々と述べられています。

以前にも少し述べたかも知れませんが、中学生の時に繁華街で大学生達に呼び止められて場末映画館のチケ ットを売り付けられたのも「フレミング効果」によるものだと考えられます。
また、30 代半ば頃に地元のカーディーラーの営業担当員に新車を購入する際にオプションのカーステレオ3 種を勧められました。
1番目には、高価なカーステレオ A、2番目は標準的なカーステレオB、そして 3 番目は低価格のカーステレオ を勧められ、これも「ゴルディロックス効果 / 松竹梅効果」だと思います。
その時に別なオプションも勧められて A とBのモノがありますが、どちらにしますかと聞かれ「私は、どうせ 新車を購入したのだからと気が大きくなって価格の高い Aを購入と決めました」これも今よく考えてみれば「ロールボールテクニック」といわれる手法の1つと思います。

約30 年ほど前になりますが、自分自身も一度ぐらい実体験的に認知バイアスを使って販売してみようと思い「フェース・イン・ザ・ドア・テクニック」の手法を使ってみたところ思ったよりも上手く行った覚えが あります。

よく考えてみれば普段の生活をしていると、いたる所で販売では様々な手法が使われていると思います。
私は仕事柄、様々な認知バイアスについて調べています。

今回、営業や販売で使えそうな認知バイアスの例を幾つか紹介したと思います。

例えば、先ほど述べた「フェース・イン・ザ・ドア・テクニック」とは、まず最初に相手が呑めない条件や 金額を提示してから相手が受け入れてくれそうな条件や金額を提示する手法です。
次に営業・販売でよく使われている「フット・イン・ザ・ドア」とは、最初に相手の呑めそうな条件や金額 を提示し徐々に上げて行き、最後に自分が希望している条件や金額まで引き上げて行く手法です。
そして、よく飲食店のメニュー表にも使用される「コルディロックス効果 / 松竹梅効果」も営業や販売に於いて応用ができると思います。
プレゼンの提案で「コルディロックス効果 / 松竹梅効果」のように、本命 = 松(相手)・竹 = 対抗(自分)・梅 = 穴(捨て案)と考えて応用して貰えればと思います。

次に「プレゼント効果 / 返報性効果」も昔から営業担当者がよく使う手法の1つです。
人は、相手から物やサービスをして貰うと自分の心理的な負担になり、どうしても相手に物やサービスで お返しをしたい衝動に駆られます。

そして「一貫性の法則」とは、人は一度自分の口から出た言葉に関して否定したくないという気質を持って います。
余り頻繁に前言の取り消しを行う人は信用ならない人だと思われてしまうからです。

営業や販売面で単価や条件などの会話の場面で相手の喋った言葉をこちらも繰り返して印象付けて話して わざと相手の記憶に残すようにすると、よっぽどのことがない限り相手には一貫性の法則が働きます。
このように営業や販売に於いて認知バイアスの種類を覚えて、その手法の使い方を考えれば様々な場面で 利用できると思いますが、如何でしょうか。

今回もブログを見て頂きありがとうございました。
文/デザイン・マーケティング担当 太田正信

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