はじめに
株式会社プルーゲン/ITコンサル担当の鈴木です。今回は、DX化・システム導入における「システム化すべきこと」について投稿してみたいと思います。
この投稿は、DX化やシステム導入を手掛けるにあたり何をどうしたら良いか分からないという方向けに私個人の経験をもとに記載しますので、皆さまのご参考となれば幸いです。
ときどき耳にするコメント
- 機能はそれなりに充実しているのに、肝心な機能の使い勝手が悪い。
- システム化したのに逆に手間がかかるようになってしまった。
- 導入前に比べて費用がかさむようになった。
これらの原因は一体何だったのでしょうか?
導入したパッケージに重大な欠陥があったのでしょうか?
それとも、委託したITベンダーの進め方に落ち度があったのでしょうか?
もちろんそれらが原因である場合もあります。
私の経験上での話で恐縮ですが、多くの場合は「的確な要件を提示できていない」ケースです。
的確な要件を提示できないと、要求が曖昧になり、解釈にちょっとしたズレや思い込みが発生します。
これが積み重なっていくと最後に当初思い描いたものと異なるものが出来上がる訳です。
その結果、「本当に必要な機能が実装されていない」「そんなつもりではなかった」などのコメントに至ります。
要件の作り方
では、的確な要件を作るにはどうしたら良いでしょうか?
特にITやソフトウェアの知識に明るい担当者がいない場合は何をすれば良いか分からないかもしれません。
既に投稿済みの記事でも述べましたが、まずは自社の業務課題を洗い出します。「まず、やることは?」「失敗しないコツとは?」参照。
その中で、IT知識がなくても構いませんので、効率良くしたい/改善したい業務について、とにかく理想とするアイデアをできるだけ数多く出してください。
もしパターン化できる業務は、できる限りパターン化するよう心掛けてください。
次に、洗い出した項目について、DX化・システム化した後の効果を数値で表してみます。
処理作業のコスト削減 → 人件費
問い合わせ対応の時間削減 → 人件費
売上増加 → 売上金額
セキュリティ強化 → リスク換算金額
システム保守のコスト削減 → 保守費用
そして、洗い出したアイデアに対して、優先順位をつけます。
目的達成または課題解決のために一番優先的にDX化・システム化すべき部分はどこなのか?
次に、優先順位は高くないが、業務的に重要なため何とかしたい項目。
最後に、もしあったら良いと感じる便利機能である項目。
ある程度の優先順位がまとまったら、社内関係者に対してもその内容と優先順位で意識のズレがないかどうかを確認します。「合意は得られていますか?」参照。
要件を書き出して、まとめる
せっかく要件を洗い出すことができたなら、やはり書き出してまとめることが重要です。
要件をまとめる際は、あくまでも業務レベルでの視点で考えることが重要であり、システム的な視点はそこまで優先する必要はありません。
もし外部委託する場合は、これが自社の要求事項のベースとなりますし、相手方との認識確認の拠りどころとなるでしょう。
委託を受けたITベンダーは、その要件を確認してからシステム的な視点で如何にクライアントの要求を満たす実現アイデアを提案できるかが腕の見せどころとなる訳です。
前述のように、もし解釈に曖昧な部分があるとすれば、その都度双方で協議のうえ、認識を明確にしておくと良いと思います。
自社でとりまとめた要件が出発点となり、社内関係者やITベンダーとのコミュニケーションも図ることができ、DX化やシステム導入は求める形へと具現化されていきます。
最後に
DX化やシステム導入を検討する際は、何を優先すべきか、何を目的とするのかでその内容は異なります。
安易に他社と同じことを実行すれば、必ず自社も同じ結果が得られる訳ではありません。たまたま同じ課題に直面していれば話は別ですが・・・
大事なことは、自社の現状把握と経営方針に沿った目的や課題解決をDX化・システム導入で如何に実現するかです。
今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
皆さまの事業活動がシステマチックで好循環となりますように。