DX化/システム導入

目的の再確認とトレードオフ

はじめに
株式会社プルーゲン/ITコンサル担当の鈴木です。
今回は「目的の再確認とトレードオフ」について投稿したいと思います。
これまでDX化・システム導入のステップについて、幾つかのポイントをピックアップして記事を投稿してきました。
ここで改めて、当初に定めたDX化・システム導入の目的について確認しておきましょう。

一旦立ち止まる
ある程度の要求事項が洗い出された段階で、要求事項の内容と当初に定めた目的とを照らし合わせて、改めてプロジェクトの方向性やゴールをチェックします。
検討を進めるうえで、当初の段階では見えていなかった課題や洗い出しができてなかった課題が出てくる場合も多々あるかと思います。
それらを要求事項に盛り込んで行くうちに、想定していなかった規模の内容になっているケースもあります。
そして、概ねの予算や期間が決まっている場合が多いので、すべての要求事項を実現するということは難しい状況に陥ります。
もちろん、当初の目的に沿っていて、尚且つ想定範囲内の予算や期間で実現可能な内容であれば、そのままGOです。
では、関係各所からの要求事項をできる限り実現するために、予算や期間との調整はどのように進めれば良いのでしょうか?

優先順位の付け方
先にお断りしておきますが、ここに記載する内容は一例であることを予めご了承ください。

①今回のDX化・システム導入は「費用」「スケジュール」「品質」のどれが一番重要なのか?

この三要素をすべて満たすものは実現のハードルが極めて高いため、優先順位を考える際にどれを一番重要視するのかを選択します。

②機能ごとに優先順位のレベル分けは可能か?

例えば、一つ一つの機能について次の視点でレベル分けをします。
A.この機能がないとDX化・システム導入する意味がない。将来に渡って(毎年必ず)必要な機能である。
B.絶対に必要ではないが、自動化やシステム実装されていなければならない機能である。
C.将来に渡っても特に重要ではないが、あれば便利である機能。

③機能ごとにリリース(利用開始)の時期を分けることは可能か?

状況によっては、すべての機能を同時にリリースする必要がない場合があり、機能ごとに順次リリースできる場合は時間的な優先順位を決定します。

④機能によっては、要求事項から削除する、または次のタイミングへ延期する等の検討は可能か?

要求事項を減らす=「費用」を圧縮する、「スケジュール」を短くすることになります。

最後に
すべての要求事項を実現したいが、予算や期間が決まっている。
もっと色んな経験をしたいが、目の前の仕事に時間を取られてしまう。
たくさん買いたい物があるが、貯金もしたい。
これらは、すべてトレードオフの関係になっています。
皆さんのビジネスにおいても、ある目的に向けて何かを考え、実行していく場面において何らかのトレードオフに出くわすのではないでしょうか。
それはDX化・システム導入においても同じなのですが、加えてお伝えすると後戻りできないタイミングで「しまった、どうしよう!」とならないように進めていただければ幸いです。
このようなトレードオフに出くわしたとしても、如何にして各所調整しながらより有用有益な仕組みづくりをするのかがポイントになると思います。
無論、要求事項の増加に伴い、予算や期間を追加できれば、そんなに悩むこともないのですが・・・
今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
皆さまの事業活動がシステマチックで好循環となりますように。

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