デザイン/マーケティング思考

無意識と意識について

以前にもヒューマンスキルブログ 7 月の「無意識とは」で無意識については少し述べたと思いますが改めての述べたいと思います。
無意識を辞書で調べると「意識では自覚されいない意識」「通常は意識されていない心の領域」「自分が自分の行為に気づかないこと」などと述べられています。

今回なぜ、改めて無意識について述べる訳は、人は当然のように普段意識を持っていると感じていると思っています。
私も普通にそのように思って生きてきましたが、しかし脳科学や心理学を学んで行くと残念ながら現在の科学では違うようです。
もしそのようであれば、人が生きて行く普段の生活の中での過ごし方の前堤条件が変わっていますから考え 方を変えて行かなければなりません。
そう考えると人は通常的に無意識下で日常生活を過ごしていることになります。

では、マーケティングのプラニングする際は、どのように考えて行けばいいのでしょうか。

ここで、2002 年にノーベル経済科学賞を取ったアメリカの行動経済学者ダニエル・カーネマン曰く「商品を購買する時に消費者はよくよく考えて理性的な判断をして購入しているように思っているが、多くの場合 ほとんど無意識下により購入をしている」と述べています。
ダニエル・カーネマンが書いた書籍のファースト&スローの中で説明している「システム 1:早い思考」と「システム 2:遅い思考」いう説明があります。
では、どうして脳がそのような構造になっているかを少し考えてみたいと思います。

脳について

少し話しの道を逸れますが、私達の脳について述べてみたいと思います。
何しろ私達の脳は重さは人によって違いますが、男性では 1350~1400 kg、女性は 1250~1280 kgといわれています。
また、男性の平均体重は約 78.1 kg、女性の平均体重は 65.4 kgです。
体重に比べると脳の割合は男性で約 1/58 で女性で約 1/52 になります。
男性も女性も脳の重さは体重と比べたら約 1/50 しかありませんが、私たちが食事などで得たエネルギー100%のうち脳は約 20%ものエネルギーを消費していると科学者が述べています。

また、私達は絶え間なく環境から来る様々な五感の情報の刺激などを受けながら生活をしています。 
脳に関して書かれた本の中で、脳は毎秒々四億ビットもの情報処理をしているとされており、そのうち意識的に処理される情報はほんのわずか2千ビットと説明しています。
つまり、脳に毎日々送られる様々な情報のうち、99.%以上私達の判らないうちに自分には必要ないとされた情報が間引きされて消化をし、そして処理をしていると著名な作家が述べています。

このように私達の脳はいつも絶え間なく働いています。 
大雑把になりますが、脳は私達一人々に必要な情報だけをピックアップして意識に送っていると考えても差し支えないと思います。
あなたの脳がいちいち関係ない四億という莫大な数の情報を送りつけ続けたら私もあなたも脳自体そのものがオーバーフローを起こして日常生活ができません。
日常生活で私達の脳がオーバーフローを起こさないために省エネモードに進化してきたようです

脳の進化と二重課程理論

私達の脳が何故そのようになった理由は進化の過程にあります。
私達ホモサピエンスといわれる人間が約 30 万年前に出現しました。
多くの年月を通して道具や火を使うことで脳が大きくなったと学者達が述べています。
脳の働きで日常生活に於いて大事なことは前頭前野をあまり使う必要がなく、多くは大脳辺縁系にある古い脳の領域しか使っていないようです。

脳の機能性と特性によって普段は古い領域だけを中心に活動をしており、意識に昇らないかたちになっているようです。
悩むような判断や難しいことを考えて決定する際に意識として昇るような仕組みになっているようです。

人は、先程の述べた経済行動学のダニエル・カーネマンによる二重過程理論の「早い反応:システム 1」に関しては普段の私達の状態であって「遅い反応:システム 2」に関しては悩む判断や難しいことに出会った時に決断する状態であると考えられます。

何故、今回述べている「システム 1:早い思考」と「システム 2:遅い思考」を説明しているかは、コンテンツを作成する際に「難しい」とか「分かりにくい」「面倒くさそう」と思わせるようなコンテンツでは、オーディエンスから良い評価が得られないことが多いからです。
だからこそ今まで説明した「システム 1:早い思考」を考えてコンテンツ作成をしなければなりません。

常に制作側のクリエイターは「システム 1:早い思考」を意識して作る必要があるわけです。
長々と述べましたが、人の意識と無意識のあり方が少しでも分かって貰えれば、ありがたいと考えます。

今回もデザインとマーケティング思考を読んで頂き、誠にありがとうございました。
今後共デザインとマーケティング思考を宜しくお願いします。

出典:2014/06/20.(刊)株式会社早川書房.(著)ダニエル.カーネマン.「ファースト&スロー上下」. (刊)株式会社サンマーク出版・2017/8/ 10.(著)アラン・ピーズ&バーバラ・ピーアズ(訳)市中芳江 「自動的に夢がかなっていくブレイン・プログラミング」.2017/01/11(刊)」株式会社講談社.(著)阿部修士.「意思決定の心理学 脳とこころの傾向と対策」

文/デザイン・マーケティング担当 太田正信

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