フックを辞書で調べてみると「鉤」「釣り針」などと書いてあります。
また、マーケティング用語でフックとは、「興味を引くもの」や「関心を引く」などと書いてあります。
フック効果では、「顧客の関心を引くようにする」「顧客が興味の欲求をそそるようにする」などと書いてあります。
私としては、先回の掴みはマーケティングに於けるフックとして表現しても良いのではと考えます。
人は誰でも自分にとって望ましい情報などのコンテンツやサービス、品物などが無ければ興味を失うのは、当然です。
ネットで訪れたサイトのデザインが美しく綺麗で見やすいことは現在では、しごく当たり前です。
見込み客がサイトに訪れた時に自分の興味や関心を引くものが無ければ、素早く離脱してしまいます。
また、これは一般的な営業に於けるアプローチの手法でも同じだと私は考えますが如何でしょうか。
ネット情報コンテンツに関して発信しているサイトでもフックについて重要な要素だと書いてあります。
先回の繰り返しになりますが、広告物やホームページ、LP などにしても見出しのキャッチコピーやリード文などに掴みになるようなフックの要素がなければ、誰も見ようとはしないでしょう。
特に若い世代はタイパを重要視しているのですから。
それでは、フックになる要素について考えてみましょう。
企業であればブランドがフックの大きい要素になりますが、中小零細企業ではそうも行きません。
では、何をフックに持ってくるかといえば、単刀直入に述べると顧客が購入することによって得られる快感や不快感の解消方法をコピーやリード文で述べることに尽きると思います。
「えっ!そんなこと分かっている」とおっしゃる方もいると思いますが、前に述べたようにマーケティングで有名なアメリカの経済学者のセオドア・レビット曰く、「ドリルを買いに来たお客はドリルを買いに来たのではなく穴を開けるもの」が欲しいのだから顧客の視点に立って別な道具や手段を考える必要があると 説明しております。
だからこそ、自社のフックになるコピーやリード文を考えるにしても自社視点では無く、顧客の視点に立ってフックになりえるような表現ができているかどうかを今一度、改めて考える必要があるのです。
たった一つコピーやリード文の表現を変えただけで、商品やサービスなどが凄く売れた例は日本でも海外でも様々にあります。
掴みになるようなフックのコピーやリード文の表現を考えつけば、それだけ潜在需要が限りないほどの見込み客を掴むことができるのです。
だからこそコピーやリード文がフック要素が無ければ、いくら綺麗で見栄えがする広告物やホームページ、LP などを作成しても意味がありません。
レビットがいった見込み顧客のシーズまた顧客のニーズや需要を満たすようなフックがコピーやリード文として必要になります。
マーケティングのアンカー効果を考える
アンカーを辞書で調べてみると「錨」「固定する」などと書いてあります。
また、マーケティング用語のアンカーでは、「錨を降ろす」「船を係留させる」などと書いてあります。
アンカー効果では、「相手に関して先行する情報を無意識的にある条件を与えそれに於いて相手に影響に及ぼすこと」や「相手に対して無意識に与えた情報に於いて強く印象を与える」などと書いてあります。
一般的に物の見方のフレーミング効果とアンカー効果を同じような使い方で説明しているマーケッターや マーケティング会社がありますが、私の中の解釈では、先々回のマーケティングに於けるキモがアンカーとしての役割があると考えています。
先ほど述べたようにサイトのキャッチコピーやリード文がフックになっていれば、訪れた見込み客や顧客は本文のボディーコピーをしっかりと読むと考えます。
後は、先々回伝えたキモのアンカーをどのように捉えて考えて行くかに掛かります。
フックは無論大切なのですが、やはりサイトのキモになるアンカーは記憶に影響するコンテンツの内容です。
先々回に述べたようにオーディエンスがコンテンツを見たり読んだりした時に「作者はコンテンツのここを表現したかったのか」と思わせたり、考えて貰うことがそのコンテンツが共感を得ることになるのではと述べたと思います。
くどいようですが、私としてはキモであるアンカーは記憶に強く影響するようなものであると考えます。
どのように記憶に残るような文面で構成をするかがポイントになると思います。
普通で考えられないことが記憶に大きく残ります。
商品で例えると、一般的に干物を作る時に使われる干し網をキャン場では、食器乾燥用に使用したり、また元はヨット用のデッキシューズがその後タウン用でも流行したシューズなど、人の記憶を強く係留させることが、アンカーだと考えます。
映像コンテンツで例えると、古いところでいえばどんでん返しがあるスターウォーズや最近では、考察で話題になった VIVANT などが強く記憶に残ります。
このように自社の商品やサービスなどを如何にコンテンツにつなげてキモのアンカーに仕立て行くかが、クリエイターとして能力が問われるのではと考えます。
今回もお付き合いして頂き、誠にありがとうございました。
今後とも、このデザインとマーケティングを講読して頂ければとお願いします。
文/デザイン・マーケティング担当 太田正信