ヒューマンスキル

基本的な対人用セールステクニック

以前にも少し述べたと思いますが、相手に初めてセールスを行う時、最初の印象が全てです。
ほとんどの営業担当者が理解しているように見込み客との初回の商談がキーポイントになります。
また前回述べたように米国のロバート・ザイアンスが心理学効果として提唱しているように初頭効果を考えなければなりません。
初頭効果を頭に入れながら、服装は清潔感があり誠実さや相手がうっとうしいと不快に思わないようなバイタリティがあった方が印象は良いと思いますが...。
私は企業に於いてセールス指導を始めて 30 年ほど経っています。
昔から企業セールスの初期段階の指導や販売の講演などで見込み客とのラポールを築くために幾つかの NLP で使われいるカウンセリング手法のテクニックをセールスで応用することを説明しています。
尚、NLP とは Neuro-Linguistic Programming、ジョン・グリンダー(言語学者)とリチャード・バンド ラー(心理学者)によって提唱された心理療法の 1 つです。
現在では、ビジネスなど多方面でも応用されています。
また、ラポールとはフランス語で架け橋を意味しておりビジネスの場面で相手と自分の架け橋を作ること を示します。
現在では、多くの勉強熱心なのセールス担当の方々も知っていると思いますが、改めて NLP の用語を説明 します。

キャブレーション・ページング・ミラーリング・バックトラッキングとはなにか。
・キャブレーション:会話以外のノンバーバル領域で表情や体の仕草や動作、話すトーン、話すテンポなどを観察すること。
・ミラーリングテクニック:相手との動作や仕草、姿勢、表情を自分が鏡のように合わせること。
・ページングテクニック:相手との口調や呼吸(息)のペースが同化しているように自分が合わせること。
・バックトラッキングテクニック:相手の言葉をオウムのように自分が繰り返すこと。

このようにセールの中で、商談相手に対して基本的なテックニックのひとつひとつを考えて自然に行える かどうかだと考えます。
まずは、初回の商談で自分が考えたように相手に如何に好印象をつけられるかどうかで次回の商談につな がります。

相手に好感を持って貰えるように

企業の担当者と2回、3回と会う中での商談で相手との感覚や距離感が詰まれば詰まるほど少しづつ相手の仕事環境や状況などが聞けるようになってくると思います。
人間は自分とよく似ている人ほど好感を持つ傾向が強い。
例えば、自分と出身地や趣味、名前など似たものがあればあるほど人は相手に好感を持ちやすくなるとされています。
また、心理学効果の中で人は同じ名前に親しみを持つというネーム効果もあるほどです。
先ほどのミラーリングも心理学効果の中で別名カメレオン効果ともいわれています。
NLP のミラーリングを脳科学視点から見るとイタリアのパルマ大学の科学者ジャコモ・リッツォラッティ が脳の中にミラーニューロンという細胞組織を発見しました。
彼は実験中に偶然、サルがテレビの食事場面を見ていた時、サル自身が食べているような素振りをみせたところから研究し提唱しました。
このような観点から顧みても、人は自分と違う考えや価値観を持つような人を避ける傾向があります。
どうして人にそのような傾向があるかといえば、人の進化からきた性質だと考えています。
人は異質な人物や異文化をけ入れてしまうことによって、自分の生命を脅かされたり自分達の仲間を失うことに繋がるからです。
余りにも原始時代が長かったために自己の生命を守るための本能に組み込まれた要素の 1 つだと考えています。
だからこそ商談相手に対しては、相手に好感を持って貰うために相手の感覚に合わせることが重要になります。

相手の共感を得るために

相手側企業への売り込みためには、自社の商品をPR したい気持ちを少し制御しなければなりません。
先ほどから伝えているように商談相手を観察しながら相手に心地良い雰囲気を与える続けることを考えながらセールスを行うことが鉄則になります。
商談時に相手に合わせるためには、非言語を含めたコミュニケーションのウエイトの割合いを考える必要があります。

なぜなら、米国の心理学者のアルバート・メラビアンが提唱した 3V の法則があります。
3V 法則とは、Verbal(言語情報)・Vocal(聴覚情報)・Visual(視覚情報)の頭文字からとった法則です。
3V のウエイトの割合いは、会話情報(内容)7%・聴覚情報(声のスピード、トーン、大きさなど)38%・視覚情報(表情、視線、仕草、動作)55%とされています。

また、別の調査に於いても人の五感の情報収集に関しては視覚情報が中心と報告がされています。
コミュニケーションに於いて人は常に相手の表情を中心に見ており、会話では内容のポイントとなるところを把握しなければなりません。
会話中に相手の目を見ないということは、相手を避けているサインのパターンにもなります。
また、あまり相手の目を見すぎるのも相手にプレッシャーを与えてしまいますから注意しなければなりません。
ほどよく相手の目を見ながら話しに傾聴し相手の会話から出てくる重要だと思われるポイントを考えて、 相手の話の内容を拾って行くことが大切だと思います。
商談中の会話のボリュームのウェイトに関しては、自分が話すよりも相手から話して貰うように考えて自分から喋る言葉は、会話全体の 1/3 ほどにするのがベストだと思います。
この会話のボリュームのウエイトも幾つかの理由がありますが、また別の機会にブログの中で話しが出来ればと考えます。
先ほど述べた商談の際カメレオン効果の手法を忘れずに行い、なるべく相手に悟られずに自然とにミラー リングやページング、バックトラッキングなども有効に使えるように考えて行く必要があります。

尚、今回商談時に於けるセールステクニックを伝えておきたかったので、先回のブログの締めくくりに述 べた今回お伝えする予定であった説得に関しては必ず次回お伝え致します。

出典:フリー百科 wikipedhia「単純接触効果」・「NLP」・「ミラーニューロン」・「メラビアンの法則」

今回もヒューマンススキルのブログにお付き合いして頂き、誠にありがとうございました。
これからもヒューマンスキルのブログを宜しくお願いします。

文 / デザイン・マーケティング担当 太田正信

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