ヒューマンスキル

感情による表情の変化

始めに
以前にもお伝えしましたように人は意外にも他人との会話や誰かのそばにいても相手を見ているようで、余り見ていないようです。
巷でよく言われていることですが、物事に於いて直接の関心は自分のことしかなく、他人に余り関心を持たないのが人間だと言われています。
しかし、ビジネスでは営業担当の方や対面販売の方は人のことを考え人に関心を持ち、観察眼を養うことが重要です。
現在の私は仕事柄、人に関心を持つようになりましたが、あなたはいかがでしょうか?
人は表情意外にも身体から様々な感情が漏れています。
特に人が嘘をつく時がとても分かりやすいと思います。
例えば、ドラマの中で話し相手が嘘をつく時に服の襟をただしたり、肩が少し動いたり、また表情でいえば顔の表情筋が僅かに引きつったりします。
会話に於いて、話しがうまい相手だったり、話題が面白ければ聞き惚れてしまいますが、なるべく相手の話しに引き込まれずに相手の表情を中心に身体から漏れ出した感情を見分けるように努力をしなければなりません。
前にもお伝えしましたが私も以前は、ただひたすらに相手の話す言葉や内容を聞き漏らさないようにすることでいっぱい一杯でした。
地道に認知心理学のノンバーバルコミュニケーションについて色々と調べて行く中で知識が増えてゆくことによって少しずつ余裕が持てるようになりました。
最初は少し難しいと思いますが、表情観察を中心に意識を持ってゆきながら相手の話しを聞いてみて下さい。
では、先月第八回にお伝えしたように表情の変化について述べてゆきたいと思います。

相手の表情の変化で感情と価値観を知る
人と会話していると話しの内容によってどんどん表情の変化が表れ、相手の喜怒哀楽がみられます。
私が特に表情観察に於いて重要視していることは、相手の価値観を考えながら探索をすることです。
出会った方々との会話で、相手がどのようなタイプでどのような考えや価値観を持っているか。
ビジネスの人間関係に於いて重要なのは、相手と自分の考えや価値観の違いを見いだすことです。
これは仕事だけではなく結婚生活に於いてもとても重要なことだと思います。
人は、お互い生まれも育ちも違いますから当然もの凄く考えや価値観が違うことは当然なはずです。
違っていないほうがおかしいと私は考えますが、あなたはどうでしょうか?
相手を知ることは、人間関係や自分自身を豊かにすることにつながります。
様々な人を少しでも理解するためにノンバーバルコミュニケーションの知識を得て貰うことが大切だと私は考えています。
以前にお話をしたように営業や販売担当の方々は知っていた方がよいと思います。

人の表情の変化については、第8回目に図で説明をしましたように米国の表情判断研究の第一者で心理学者のポール・エクマン博士とウォレス・V・フリーセン博士は人の表情には観察する3つのポイント領域があると述べました。
相手と会話を行いながら表情を観察して行くと感情が顔に出てくるために額まわりや目の周り、口の周りがよく動くことが分かると思いますので、3 つの領域のポイントを中心に相手の表情を観察をします。
尚、下記に表記した基本的な6つの項目は、米国の心理学者ポール・エクマン博士が説明している人の感情で顔の表情が変化した時の特徴です。

  • 喜び : 口角があがって、目尻にシワができ頰もあがります。
  • 怒り : 眉がつりあがって、眉間に縦縞ができて唇をぎゅっと噛みます。
  • 驚き : 目が大きく見開いて、眉があがって口も開きぎみになります。
  • 悲しみ: 眉とまぶたが少しさがり、口角もさがりぎみになります。
  • 恐怖 : 目を大きく見開き、額に少ししわができ、唇と頰が引きあがって口が開きます。
  • 嫌悪 : 眉がよって眉間に縦縞のシワができ、上唇があがりぎみになります。

このように人の感情変化が表情に表れてきますから、会話しながら相手の表情を注意深く見て貰えればと思います。

尚、予めお断りしておきますが、ある程度の社会経験を経ている方なら相手が建前で表情を作っていて本音が違っていることは、幾ら表情で演技しても相手は見透かしています。
特にノンバーバルコミュニケーションについて学んでいる方や心理学の専門家などは、そこのところはよく分かっていると思います。
今回も見て頂いた方の仕事や生活などで、ご参考になれば、幸いです。
次の第10回目は「人が嘘をついた時に表れる表情の変化」などについて述べたいと思いますので、宜しくお願い致します。

出典:株式会社誠信書房(著)ポール・エクマン、ウォレス・V・フリーセン、(訳)工藤 力..「表情分析」・株式会社ナツメ社( . 著)齊藤勇「. 見た目でわかる外見心理学」

-ヒューマンスキル