はじめに
以前にも行動経済学について述べた行動経済学者のダニエル・カーネマン氏が主筆した、ファースト & ス ローから二重過程理論やリチャード・セイラー氏が提唱したナッジなどを参考にしたことについて考えを 述べたと思います。
今回はもう少し行動経済学について述べてみたいと思います。
行動経済学と無意識下
フリー百科 Wikipedia で調べると行動経済学についてこのように説明されています。
「行動経済学とは、経済学のモデル理論に心理学的に観察された事実を取れ入れていく研究手法である」と述べられています。
行動経済学の書籍の中で、如何に人は無意識下で行動を起こしてしまうかについてよく語られています。
人は多くのバイアスを持ちながら日常生活を過ごしていることについては、このブログを読んでいるあな たも理解されていると思います。
原始の時代から集団生活の中で生きて行くために人の本能的に備わった脳の習性であるバイアス。
どうしても日常生活を円滑に過ごすために人は社会生活の中で人間関係からは逃れることはできません。
例えば、食料品店のコーナーに置かれているジャムの種類が余りにも多いと人は迷い選べられないために 購入を取りやめてしまうことが多いとされています。
これをジャム法則といいます。
また、飲食店メニューによくある価格設定のやり方として料理の値段が 2 つよりも 3 つある方が人間の習 性として選びやすい、コルディロックス(松竹梅)効果などもあります。
この 2 つの例は、人間の習性として選ぶ物が余りにも多くなると欲しい物が選べなくなり、また少ないと 選びにくということが分かりやすいケースだと思います。
このように日常生活の中で如何に人が備えているバイアスを理解することと、ビジネスで円滑に上手く活用 できるかどうかにかかります。
人が持っている様々なバイアスをよく理解することによってあなたの仕事もはかどると思っていますが...。
近年多くのサイトにバイアスの種類や内容について述べられていますが、以前のブログでも述べましたが 幾つかのバイアスを覚えておいて、ビジネスの場面で如何に応用することができるかどうかです。
また、行動経済学の書籍の中でも述べられていますが、人は自分1人でいる時と周囲に人がいる時では、 行動の取り方に変化があるとしています。
当然、周囲に人が多くなれば影響があり同調作用も起こりやすくなります。
異論があるかも知れませんが、多くの日本人はその傾向が強いと私は考えておりますが...。
どうしてこのように述べているかというと以前から述べているように無意識からきている人間の習性を基 にして人の行動に対することです。
私も含めてですが、日常下に於いてサービスや商品に関して営業や販売促進を担当している方は如何に人 間の習性を熟知して考えるかが、いつも問われているように思っています。
無意識下に於いて人を誘導?
色々な心理学のことについて調べるために様々な無意識下の行動に関する書籍を多く見ています。
以前のブログにも述べた書籍で「影響力の武器」などは人が無意識下で行動をしてしまう代表的な書籍の1 つだと思います。
よく知られている法則などで、例えば返報性(プレゼント)効果は、人が相手に対して贈り物をした時に送 られた側の人は必ず相手にお返しをしたくなる行為を指しています。
これも書籍の「影響力の武器」の中でも詳しく述べられています。
他にもネット記事にもよく述べられている有名な社会的証明、権威性などのことも「影響力の武器」でも述べられています。
また、昔に出版された「影響力の武器」だけでなく今では他にも本当に多く人の影響力に関することが述べられている書籍が溢れるほどあります。
その人が日頃から日常下で思い考えていることは、やがて無意識に吸収されて行くとされています。
人には、信条と物事に関する価値観、プライドがあります。
その 1 つでも貶され、批判されようなものなら嫌悪からくる怒りにも似た気持ちを持つことになります。
なるべくビジネスを円滑に進めるために相手が気づかないように行動経済学に述べれていることや認知心 理学などで述べられている効果や法則を用いるべきだと考えています。
例えば、会社の上司に自分に都合の悪いことをどの時間帯で伝えるか、また伝える順番は会話の中で前か後 などは、今では少しでも心理学をかじっている人なら知っていると思います。
結局ビジネスに於いては、人間関係に尽ると思います。
それならば、如何に相手に機嫌良く動いて貰えるような手段を幾つ知っていて使えるかにかかってきます。
相手に機嫌良く動いて貰うには、しっかりと影響力などの書籍を読み込むことが大切だと考えています。
最後に書籍を幾ら読み込んでも効果や法則を忘れずにその場で応用できなければ意味がありません。
出店:フリー百科 Wikipedia.「行動経済学」・2011 年 11 月 20 日 .2012 年 11 月 25 日 .(刊)株式会社 早川書房 .(著)ダニエル . カーネマン .(訳)村井章子 .「ファースト&スロー上」・2022 年 11 月 21 日 . 2023 年 1 月 23 日 .(刊)株式会社日経 BP.(著)リチャード . セイラー . キャスサンスティーン .(訳)遠 藤真美 .「NUDG 実践経済行動学 完全版」・2007 年 8 月 31 日 /2008 年 5 月 30 日 .(刊)株式会社誠心 書房 .(著)ロバート .B. チャルディーニ .(訳)社会行動学研究会 .「影響力の武器」
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文 / デザイン・マーケティング担当 太田正信