ヒューマンスキル

構造とは

今回は構造について少し述べたいと思います。
構造を辞書で調べると、「全体を成り立たせる組み立て」「さまざまな要素が相互に関連し合って作り上げ ている総体」「各要素の相互関係全体を形づくっている種々の材料による各部分の組み合わせ」などと述 べられています。
また、この世に存在する万物は、構造からできているといっても間違いはないと考えます。
当然ですが、あなたも私もすべての人は様々な細胞から成り立つ構造からできています。
毎日、当たり前のように過ごしている多くの人は構造からできているという基本中の基本を忘れています。
目の前のことをやり過ごすことに精一杯で、私も当然このことについて忘れがちになっています。
なぜ、このような構造について述べているかというと私たちの思考の元になっている脳もよく考えてみれ ば構造物の一つです。
時間に追われ日々慌ただしく過ごす私たちが見過ごしがちになっている脳について少し立ち止まって改め て述べます。

脳も構造から出来ている

脳の三層構造に関しての説明は、二十年ほど前の私の講演会でも度々話しています。
以前から私のブログをみている方は、覚えておられると思います。
昔から脳科学でいわれているところの 1960 年代に神経学者のポール・マクレーンが提唱している脳の三 層構造で考えると分かりやすいのでここで採り上げています。
ポール・マクレーンの学説によると人の脳は、古脳「ハ虫類脳」の上に旧脳「ホ乳類脳」その上に新脳「人間脳」という順序の構造になっているとされています。

図:脳の三層構造

古脳の「ハ虫類脳」は三大欲求を司っているとされており、旧脳の「ホ乳類脳」は感情を司っているとしており、新脳の「人間脳」は決断と判断を司るとしています。
これも以前、講演会で話しをしていますが、ポール・マクレーンの学説でいうところで述べると人間の脳は論理的判断よりもホ乳類脳の感情が強いとしていますから人は買い物に於いては、好きな店舗や馴染みの店員から購入します。
幾ら安くても嫌いな店舗や店員から商品やサービスを人は受け付けないですから。
やはり、営業や販売に於いても人は論理よりも感情で動く動物だと考えます。

だからこそ、コミュニケーションに於いては脳の構造と機能からも考えて行くことが基本だと思います。
前にもブログの中で述べたので、繰り返しになってしまいますが、誰しもの多くの人は、物事を見たいように見て、聞きたいように聞きます。
それが人間といってしまえばお終いなのですが、相手にどれだけ話しを聞いてもらい分かって貰えるようにすることが本来のコミュニケーションの主旨だと思います。
そのためには、相手の脳の状況が古脳なのか、旧脳か、はたまた新脳なのかを見極めること必要になると考えます。
当たり前のように相手が新脳の「人間脳」であれば、論理的で建設的な話ができると思いますが、相手が旧脳「ホ乳類脳」であれば、冷静になって貰えるようにこちらが話すことが重要になってきます。
しかし、相手が古脳「ハ虫類脳」であれば、まったく話がかみ合わない状態になります。
だからこそ、脳の三層構造から顧みて会話の状態を観察しながらコミュニケーションを考える必要になると思います。

※現在ポール・マクレーンのこの学説に関しては賛否があることも付け加えておきます。

相手の感情を快に

先ほどから述べているように余ほど難しい話しではなく、相手があなたと話しをして行く中で、快の状態になっているかが重要なのです。
多くの人は、側にいて欲しいのは自分のことをよく分かっており、同じ空間で過ごしても居心地のよい人に尽きます。

それは、自分の存在を脅かすかどうかの旧脳の「ホ乳類脳」からきています。
人間が家族や気心を許せる友人を大切にするのも自分の拠り所を求める安心や安全からくるところだと思 います。
また、以前のデザインとマーケティングのブログでものべているように、広告宣伝業界でいわれているス リーヒッツ理論やセブンヒッツ理論でいわれるところ 1960 年代のロバート・ザイアンスの新近性効果に もつながり、また相手をよく分かることよって生まれるロバート・ザイアンスが提唱した熟知性効果にも つながってきます。

とにもかくにも営業販売に於いては、コミニュケーションすることによって仕事ができますから相手の脳 の状況(感情の状態)を見極めることが中心になるので、脳の三層構造を見極めることが重要です。
例えば、商談の時にお客さんも時には何かあって腹の虫が治まらないこともあるかも知れませんが、その ような時にあなたが如何に上手くコミュニケーションを行い、相手の感情を快にするように会話を進める ように注意することで、あなたに親近感を覚えることにつながると考えます。

尚、誤解のないように述べておきますが、あくまでも相手に対して下手にでるということではなく、相手 に気持ちよく話して貰うことを目的とするコミュニケーションを行うということです。

最後に蛇足なりますが、女性が愚痴や悩みを男性に打ち明けることがありますが、男性によくありがちな のですが、女性に対して、へたに助言を与えようとしますが、それはあまり意味がありません。
女性は、きっとその時はただ聞いて共感して欲しいだけですから気をつけ下さいね。
そのように述べている私も心理学を学ぶ前は、ありましたが...。

出典:2005.12.20.(刊)株式会社祥伝社 .(著)渡邊憲一 .(原案)株式会社テレビ朝日 .「ジュラシック コード」・2025.01.08.(刊)株式会社サンマーク出版 .(著)レーナ・スコーグホルム .(訳)御舩由美子 .「あいては人か 話が通じないときワニかもしれません」・2009.12.08.(刊)株式会社日本経済新聞社 .(著)ルーディ和子 . 日経プレミアシリーズ「売り方は類人猿が知っている」

今回もヒューマンススキルのブログにお付き合いして頂き、誠にありがとうございました。
これからもヒューマンスキルのブログを宜しくお願いします。
文 / デザイン・マーケティング担当 太田正信

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