ヒューマンスキル

焦点を絞る

辞書で焦点を絞るを調べると「カメラの視野を狭くして焦点を合わせる」「注意・関心が集まる中心点や 問題点」などと述べられています。

以前に勤めていた会社に入りたての時に上司の室長から「問題点に対して焦点を絞れ」と数回いわれてい た時を思いだします。
美術学校を卒業して商品企画室に入社し、商品企画のいろはを教えて貰った際に当時企画室にいた先輩方 からよくその言葉を聞いていたと思います。
商品企画のモノ作りに関してはそのような視点を持ったのですが、それが自分の課題に関しては全くとい うほど考えていなかったのです。
若い時には、このようなことは誠に残念ながら一切思いもつかず、考えさえもしませんでしたので、愚か だったと人生の佳境に入り反省しきりです。

自分自身の課題点などに関して焦点を絞ることは、哲学的になりますが人生が尽きるまで思考を続けなけ ればならないと考えています。
それは、どんなに歳を取ろうが...。
なぜ、焦点を絞らなければならないかというと、理由は目まぐるしく溢れかえる情報化の時代だからこそ 自分自身の課題について考えて行く必要があると思うからです。
突きつめて行くとビジネススキルから離れて哲学的になってしまいますから、ビジネススキルの観点に戻 したいと考えます。

脳が受け取る情報

以前にも数回述べているように米国の作家及び脚本家のパム・グラフト氏が書いた本の中で人の五感に入 る情報は 1 秒間に 4000 億ビットも受け取っていると述べています。
脳に入る情報量はたった 2000 ビットに激減しているとも説明し、脳での処理は 100 万分の 1%の更にそ のたった半分とも説明をしています。

このように膨大な色々な情報が洪水のように周囲から自分に流れています。
ついつい、人は周囲から情報のエネルギーによりビジネススキルに関しても自分の課題を忘れがちになっ てしまいます。

特に現代では、五感に対して好奇心や興味をそそるような Web 記事やテレビ、YOUTUBE、Tiktok 等々の 誘惑に満ちたコンテンツ配信があります。
だからこそ、自分自身の課題を考えて行く際に対してそれらの強い誘惑から逃げるように考えることも必 要になってきます。
様々な情報コンテンツを消化をするのは当たり前なのでかまわないのですが、それらが自分にとって時間 の投資か消費か、はたまた浪費なのかをよく見極める必要もあります。
現代では、特に多くの魅力的な情報のコンテンツが満載だからこそ、人生の限りある資源である時間が誰 にとっても重要だと考えます。

自分のテーマとコンセプト

先ほど、述べたように以前私が勤めていたのは雑貨商品企画及び販売をしていた会社でしたからモノ作り や企画する際は、テーマとコンセプトの 2 つが必数でした。
当然、現在の仕事関与先でモノ作りを行う際にテーマとコンセプトをうるさいほど話しています。
しかし、テーマとコンセプトについてはモノ作りの観点からだけではなく、ビジネスを考える際にも必ず 必要になります。

最近、とくにデザイン経営という言葉がビジネス界では飛び回っていますが、デザイン分野や経営分野で 考える場合だけではなく先ほど述べたように自分自身の設計にも使えます。
また、以前行動に関したブログの際にも述べましたが、物事の焦点を絞るためにも何事も必ず簡単な自分 なりのテーマコンセプトを考えるクセを付けた方がよいと私は考えます。
その方が自分に対してぶれずに整合性が保たれる可能性が高いとも思いますが。
余り自分に起こる物事を難しく捉えて考えてしまうのも何ですが、余りにもイージーに捉え考え過ぎても よくはありません。
物事に対しての考えについては、ほどほどのいい加減だと思っています。

自己のデザイン設計

自己のデザイン設計としての焦点を絞ることを行うためには、自分がどのように生きて行くのかを命題に して自分の人生設計を考えて行くことが大切です。
できれば、20 代の中頃までに仮の命題(テーマ / コンセプト)を作り、自分が生きて行くために何が1番 必要なのかを詰めて考えてみるとよいと考えます。

たとえ、30 代でも遅くはないと思いますが...。
私自身の体験しか述べられないので申し訳ないのですが、先ほどから述べているように私は若さ(時間が 多くある)にかまけて自己研鑽をすることを知らず、30 歳頃から自分の知識のなさに気付きました。
そこで、自身の知識を人や書物に求めて行くことにしました。

それぞれの分野の良きメンターと数人巡り出会うことができ幸せでした。
その内の1人のメンターには、教えて下さいと頼み数回ほど断られていましたが、メンターが根負けして 8 年ほどお付き合いして教えて頂きました。

今、仕事ができるのは、特にその方の教育だと思います。
私も社会還元も含めなるべく時間がある時は、近くにいる若い人たちには自己デザイン設計の考え方を教 えております。
尊敬する亡き義父に、30 代でそれに気づけたことは幸せだともいわれたことは、今でもよく覚えており ます。

今回はここまで。

出典:2014 年 4 月 25 日(刊)株式会社サンマーク出版(著)パム・グラウト(訳)桜田直美「こうして 思考は現実になる」

今回もヒューマンススキルのブログにお付き合いして頂き、誠にありがとうございました。
これからもヒューマンスキルのブログを宜しくお願いします。
文 / デザイン・マーケティング担当 太田正信

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