デザイン/マーケティング思考

不安感は恐れから

先々回、先回と二回に渡って人間の進化とマーケティングについて述べてきました。
今回も人間の進化とマーケティングについて、少し深掘りして述べてみたいと思います。
以前にも述べたように太古の時代、人間はネズミのような姿のプルガトリスというほ乳類から進化してきました。

その時代に生息していたのが、ティラノサウルスような恐竜などの肉食獣でした。
肉食獣が近づくと私たち祖先のプルガトリウスは素早く洞穴や大木の空洞の中に隠れて肉食獣が通り過ぎ るのを息を潜めて待っていたようです。
つまり私たちの祖先は、いつ肉食獣に襲われて食べられるかも分からない恐れが強い状態でした。
その後、恐竜が死滅した後もプルガトリウスから分化したノタルクトゥスは肉食獣に襲われる危険が多い ために樹木の上で過ごすように進化をしました。
しかし木の上の生活をしていても安心できることはなく、いつ危険が迫ってくるか分からないという恐れ がなくなったワケではありませんでした。
このように恐れから不安に形を変えて現在の私たちの本能に根付いているようです。

人は、消費では安全と安心を求める傾向が強い

先月のブログでも人間の根底にはなるべく不安な気持ちを回避したい思いがあると述べたと思います。
特に日本人は外国人に比べて不安遺伝子のトランスポーターが 80%と述べました。
特にマーケティングで考えなければならないのが、集客なので如何に見込み客などに不安を与えないような Web サイトやコンテンツ作りをしているのかが重要だと考えますが、如何でしょうか?
経営にとって一ヶ月の商品販売数や売り上げも会社にとっては大切なことですが、商品やサービスを購入 する消費者の方々が安心するモノを提供することが会社経営の本質だと考えています。
それに伴うためのマーケティングや戦略コンセプトだと考えています。
経済は、インフレに強く振れていますが、消費者マインドはまだデフレ状態が強く残っています。
特に近年、飲食店紹介のテレビ番組を視聴していますが、評判のよい飲食店は価格が安いという理由だけ ではなく、それよりも売り上げの前に顧客に対して安心や安全を心がけているように私は感じています。
また、ここ数年のインバウンドによって日本の食文化やアニメ・マンガ文化が外国人の方々が楽しめるの も犯罪数が少ないことやおもてなしの文化や安心と安全があってこそだと考えます。
先ほど述べたようにどうしても人は目先の利益を追ってしまいがちなりますが、やはり人の本質を忘れる ことは、社会の信用につながり売り上げの減少につながってしまいます。
例えば、安全や安心に関わる心理学法則の社会的証明や権威性などが述べられているビジネス心理学など の書籍が市井の書店で数多く並べられています。
営業・販売の指導を生業をしている私ですが、これからはより生成 AI の登場で企業はマーケティング思考 が求められる時代だと強く感じています。
特に最近、一部のネット記事では生成 Ai の登場で今迄の SEO 対策の変革期と述べられています。
そのような時代に入ってもあくまでも消費するのは人ですから先程から述べているように太古から伝わる 遺伝に備わったように人が求めるのは安心安全を中心とした志向は変わらない消費志向だと考えています。

人は、目の前の報酬に飛びつく?

多くの人は、人さまと同じようなりたいとか同じようにしたいとかの同調性があります。
日本人は、長らく島国の単一民族の歴史が続いたために特に同調性が強く存在すると考えています。
しかし一個人としては、人よりもいい思いをしたいと考えているのは人間として仕方がないことだとも思 います。
でなければ、ビジネス心理学の中でよく出てくる希少性の原理が有効だと述べられるはずがありません。
以前にもブログの中で述べましたが、正月恒例の百貨店の初売で福袋に女性たちが我先にと取り合う姿を 見ても人よりもいい物を得たい、また物を失いたくないという心理は当たり前だと思います。
人は、太古から生存競争がなければ今のような人類の発展はありえないと考えています。
経済行動学などの心理学実験で、実験側の担当者が被験者に 2 つの提案しました。
この提案は被験者に「今すぐなら千円札ですが、一ヶ月後なら 2 千 500 円差し上げますが、どちらにしま すか」と問うと多くの被験者が今すぐの千円札と答えます。

普通よく考えてみれば、1 週間待てば報酬が 1.5 倍になると思いますが...。
やはり私たちは長い原始時代に食べ物を得られず、とても長い間ひもじい思いをしたために目の前にある 食べ物(報酬)にすぐに飛びつく習性があるようです。
私たち人間は本能に組み込まれて遺伝子によって待つことができないようになっているようで、直近で得 られる利益を過大評価し将来得られる大きい利益も高く評価すようです。
どうやら私たちは目の前にある誘惑にとても負けやすい性質を持っているみたいですね。
このような人に備わった性質は、認知心理学で現在バイアスとされています。
この効果を上手く扱った販売方法で考えられるのは、自動車の残クレ販売方法や配信音楽ビジネスのサブ スクなどが考えられます。
今後このような手法が販売効果として有効かもしれませんね。

出典:2016 年 4 月 5 日 .(刊)株式会社学研プラス .(編集)科学雑学研究倶楽部 .「人類進化の秘密がわ かる本」・2023 年 10 月 33 日 .(刊)株式会社ダイアモンド社 .(著)エヴァ . ファン . デン . ブルッzク& ティム . デン . ハイヤー(訳)小島修 .「勘違いが人を動かす」・2009 年 12 月 8 日 .(刊)株式会社日本経 済新聞社 .(著)ルディー和子 .「売り方は類人猿が知っている」・2023 年 1 月 3 日 .(刊)フォレスト出 版社 .(著)情報文化研究所 .(監修)高橋昌一郎 .「認知バイアス辞典」

今回もデザインとマーケティングブログにお付き合いして頂き、誠にありがとうございました。
これからデザインとマーケティングブログを宜しくお願いします。
文 / デザイン・マーケティング担当 太田正信

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