認知心理学の中でヒト以外のモノで人の表情に見えてしまうことがあります。
例えば、コンセントの挿し口や下記の写真のような古い自動車のフロント丸目のライトをヒトの顔に見えてしまう ことを「パレドリア現象」といいます。
また、石や岩などを見てヒトの顔全体に見えるような現象を「シミュラク現象」と呼び、様々な研究から私たち ヒトの進化から人間関係で互いの表情で気持ちを分かるためだとされています。
錯覚の現象を起こしてしまう理由の一つとして、シドニー大学のデイヴィッド・アレーとその研究チームの論文 で、ヒトがコミュニケーションを行う際にヒトは自然と表情を中心に見ているようです。
他の様々な研究からもその一端が見えてとれます。
表情については、ヒトの進化から社会の集団生活の中、人間関係で互いの表情で気持ちを理解し合うようにな っています。
上記に述べたようにヒトの全身観察よりも表情観察の方が人間観察を始める方には、まだ分かりやすいかも知 れませんね。
微表情
以前のヒューマンスキルブログでも微表情のことを少し述べました。
以前の私はセールス指導を始めた頃は、相手の表情や仕草の全体観察などの関心は全くありませんでしたし、 分かりませんでした。
微表情の研究者の第一人者はアメリカの心理学者ポール・エックマン博士です。
一般的にポール・エックマン博士を有名にしたテレビ番組のドラマは「ライ・トゥ・ミー嘘の瞬間」です。
私もこの番組見るようになってからなるべく微表情を意識して観察をするようになりました。
それからヒトの表情をなるべく意識して観察をするようになって、微表情も見て取れるようになってきました。
ヒトの無意識表情から見えるヒトの 7 つの表情の基本としては、「幸福」「軽蔑」「嫌悪」「怒り」「悲しみ」「恐怖」「驚き」などです。
特に読み取りが難しいと思うのは、0.2 秒の瞬時の微表情です。
ヒトの微表情で早いものは、0.2 秒ほどの瞬時で変わります。
また、0.2 秒ではなく、1~2 秒ほど残ることあります。
表情観察で微表情については少しばかり表情観察する訓練が必要かもしれませんが、相手の感情を観察し理解 する気持ちがあれば、ある程度は分かってくると私は考えます。
また、微表情の詳細については、改めて機会があれば述べたいと思います。
相手の表情と身体を観察する
今まで、簡単な表情観察に関して述べましたが、人のことをよく知ろうとされる方はノンバーバルコミュニケーシ ョンそのものを勉強されています。
そのような方は、相手の顔だけではなく、身体全体をくまなく観察しています。
以前にも述べたと思いますが、人の気持ちは身体に働くホルモン分泌によって変化します。
例えば、部下が上司からいわれなくてもいいことを注意されたら、怒りのホルモンのアドレナリンが分泌されと思 います。
仕事がとても上手くいってモチベーションが上がっている時はドーパミンが分泌していると思われます。
仕事の締め切が明日に迫っているようなプレッシャーがかかっている時はノルアドレナリンが分泌されています。
朝日を浴びたり、ゆったりした気分で気心しれた友人との会話したりするとセロトニンが分泌されます。
不安な時に自分をぎゅっと抱きしめてあげるとオキシトシンが分泌されるとされています。
例えば、営業の商談であなたの報告がもどかしいような話し方をした際に、黙っていた上司がボールペンなどの 筆記具で机をコツコツと叩くような仕草をみせたら、アドレナリンの分泌がある可能性を疑った方がいいと思い ます。
ボールペンで机をコツコツ叩く前に表情では、もういら立ちがハッキリと見えているはずですから。
表情と身体全体から出ている仕草のシグナルをよくみることが重要です。
少し難しいかも知れませんが、このことを踏まえながら相手の気持ちを推し量り考慮しながら相手の仕草や動作を観察されると、より相手のことが分かると思います。
ノンバーバルコミュニケーションの重要性は、仕事に於けるビジネスだけではありません。
恋人関係や友人、家族にも風通しのよいコミュニケーションを行うことができます。
とにかく人を観察し少しでも分かるということは、様々な知識に好奇心を抱き探求することに尽きると考えます。
動作を観察されるとより相手のことが分かると思います。
出典:2010 年 10 月 28 日 .(刊)株式会社マガジンハウス(著)樺沢紫苑「7 つの奇跡の物質があなたの 仕事を劇的に変える!脳内物質仕事術」・2016 年 8 月 2 日(刊)株式会社飛鳥社 .(著)清水健二 .「顔色 をうかがうのは正解だった!微表情を見抜く技術」・2021.08.10.(TEXT )JENNIFER OUELLETTE・(TRANSLATION )YASUKO ENDO.「物体の模様が「人間の顔」に見えるのはなぜ?そのメカニズムが研究で 明らかに」・2015 年 11 月 5 日 .(刊)株式会社新星出版社 .(監修)池谷裕二「大人のための図鑑 ビジュ アル版 脳と心のしくみ」
今回もヒューマンススキルブログにお付き合いして頂き、誠にありがとうございました。
これからもヒューマンスキルブログを宜しくお願いします。
文 / デザイン・マーケティング担当 太田正信
