以前デザインとマーケティングブログの中でも少し述べたとは思います。
日本社会の経済背景の大きな変化から消費者による消費傾向が大きく変化があります。
1960 代の高度成長期からモノ消費といわれた 1970 年代、コト消費の 1990 年代そしてトキ消費の 2010 年 代、そしてイミ消費の 2020 年代、今後はエモ消費といわれています。
今後しばらくの間、消費傾向に関わるキーワードとして通称エモ消費いわゆるエモーショナル消費だと考えます。
なぜ、エモ消費になのかについて改めて考えてみたいと思います。
エモーショナル消費
2017 年頃にエモーショナルを縮めたエモ消費という造語は、コラムニスト・マーケッター荒川和久氏によって 創作されたようです。
マーケティングのデータとしては少し古いのですが、2023 年の株式会社ハー・ストーリィの調査で女性が買い 物で求めるている要素は、楽しさが 63.5%になっています。
女性が求める楽しさこそが、エモーショナル消費です。
今、マーケティング業界でいわれている、それこそがエモーショナルをともなう界隈消費や推し活消費です。
また、エモーショナル消費では 2023 年頃からいわれている涙活ということばは、文筆家・実業家の寺井広 樹氏によって創られたようです。
日本の IP(知的財産)ビジネスであるコンテンツ産業を引っ張っている映画でも涙活といわれて悲恋や主人公 が活躍し共感を描くものが多いのもよく理解できます。
エモ消費の代表的なことばである推し活にみられるようにエモ消費に関しては男女別にみても女性影響が大きい ようです。
また、涙活を性別データで調べてみるとやはり女性の傾向が強いようです。
感情消費
関西大学文学部教授の石津智大氏が書いた書籍「泣ける消費」のサブタイトルに人はモノではなく「感情」を 買っていると書いてあります。
そして「泣ける消費」の本の中で、「泣ける」ことは「心が動く」は快になると石津教授は述べています。
泣くことによってカルタシスを感じ発散すると述べており、人が泣く映画を鑑賞しに行くことに対して泣くための 感情を買いに行く行為とも説明をしています。
人は泣く行為それだけではなく、休日にテーマパークに出かけジェットコースターやホラーハウスなどで恐怖を 味わう体験をします。
このように人は日常生活では絶対に得られないような、非日常性を求めていること、この要素がこれからのサー ビスや商品により求められて行くと考えられます。
体験する要素がより求められる
近年マーケティングの業界でも界隈・推し活・コミュニティなどの消費行動のことばをテレビのビジネスニュース や Web 記事などで、あなたもよく見聞きしていると思います。
Web やテレビニュースであなたもよく見聞きする推し活でミュージシャンやアイドル、アニメなどが盛り上がって います。
今年の日本に於けるエンタメ全体の興業推定予想として、約 8000 億とされています。
また、有名なアニメの 2025 年劇場公開では、日本の興業収入だけで約 400 億円の売上げがあったと報道され ています。
また、海外からも日本に来る人々も昔の侍や芸者など、たんなるオリエンタルを求めてインバウンド訪日をして いるのではありません。
現在の日本のアニメで描かれた土地への巡礼や近未来的な雰囲気がある東京や歴史的な神社仏閣の京都など、今と昔が混在しているユニークな日本文化の体験経験をしに来ています。
現在モノに囲まれた先進国では、豊かさの象徴である人の体験経験がより強く求められるようになって来ていて います。
このように日本を含む先進国の人々は、モノよりも自身が身を持って体験経験する欲求が強いと思われます。
また、一期一会と言う言葉があるように人は色々な人々に出会うことによって体験経験が創られるように生涯と いう時間の中で貴重な思いをすることによってお金には換えられない、かけがいがない思い出になります。
この傾向は今後人工知能が進む社会でも同じにようになってくることは変わりはないと私は考えています。

現在の脳科学の分野でもよく語れていることは脳はリアルにモノを感じているのではなくバーチャルで感じている とされています。
そのことを考慮して、これからマーケティングを考えて行くと、考えられる傾向は先ほど述べたように人工知能が より発展して行くことになり、以前一時的に話題になりましたがやはりバーチャルリアリティのメタバースの世界が有望視されると考えています。
例えば「コンピュターとつながれたヘッドレストから人工知能が作り出す映像と音が流れだす空間に人の意識は 入り込みます」あくまでもバーチャルリアリティ(仮想現実世界)ですが、人にとっても十分な体験経験になって 行きます。
当たり前のように今後、工業系物作りの世界やエンタメ世界でもバーチャルリアリティ分野は大きく発展して行くと考えられます。
出典:2023 年 12 月 22 日 . 株式会社株式会社ハー・ストーリィ .「2024 年の消費トレンドは “3 つの S” !女 性インサイト総研が 2024 年の女性視点のトレンド予測を公開 .「節約 (Savings)・安心 (Safety)・安全 (Securi ty)」が選択ポイント」.https://www.herstory.co.jp/post/insightsurvey-data-231222・2025 年 10 月 17 日 18:31. 日本経済新聞 .「映画「鬼滅の刃」、世界興行収入 948 億円に 25 年公開で世界 5 位」.https://www. nikkei.com/article/DGXZQOUC1795Y0X11C25A0000000/・2025 年 06 月 24 日 . ぴあニュース .「ライブ・エンタメ市場、想定を超えて最高更新。2030 年予測も上方修正 /ぴあ総研が 2024 年確定値および将来 予測値を発表」.https://corporate.pia.jp/news/detail_live_enta20250624.html.・025 年 7 月 5 日 .(刊)株式 会社サンマーク出版 .(著)石津智大 .「泣ける消費」・2025 年 04 月 04 日 ( 金 ). 株式会社マイナビ . マーケ ティング・広報ラボ .(文 / 編集)マーケティング・広報ラボ「エモ消費とは? Z 世代の心を動かすポイント や消費行動の変遷を解説」.https://cm-marketinglab.mynavi.jp/column/cm-emotional-consumption/
今回もデザインとマーケティングブログにお付き合いして頂き、誠にありがとうございました。
これからもデザインとマーケティングブログを宜しくお願いします。
文 / デザイン・マーケティング担当 太田正信
