はじめに
私なりに世の中に提唱されている心理学効果と法則について少しばかり述べたいと思います。
私も仕事柄、心理学効果と法則などについて説明をすることがままあります。
心理学効果や法則について私がザッと確認しただけでも 50 個ほど存在すると思っていますが、詳しく調べ ればもっと存在します。
私が知っている 50 個ぐらいの心理学効果と法則を常日頃から使っているかといえば、若い時から比べると 記憶が薄れていますから、すぐ思い出せといわれてもせいぜい 10 個ぐらいでしょうか。
心理学分野で心理学効果と法則について、いったいどのぐらいの数があるかなどキッチリと調べていません から余りたいそうなことはいえませんからお許し下さい。
では、本題へ
文脈効果を考える
文脈効果について書籍や web 記事などで色々調べてみると、米国の教育・文化心理学者のジェローム・シ ーモア・ブルーナー(Jerome Seymour Bruner)博士について語られており、近年の認知心理学など心理学 の歴史で大きな功績を残した人とされています。
では、いったい文脈効果とは何かというと文脈の前後によって全く異なる印象や内容に変化してしまうこ とを指します。
上記の図を見て貰えれば分かると思いますが、横のアルファベット A とCにはさまれると B に見えますが、 上下の 12 と 14 の間になると B と読める文字が 13 に見えてしまいます。
この図のように環境や文脈により、私たちは情報の捉え方を処理します。
例えば、話し言葉の名詞の「はし」という言葉を耳にしても食べるための「箸」なのか渡るための「橋」 なのか、また場所の「端」なのかは分かりませんよね。
人は、言葉や文字の前後や話しの脈絡によって初めて理解できます。
また、プライミングの関わりによっては文脈効果も変化して行きます。
プライミング効果を Web 記事や辞書などで、調べると「ある先行する刺激が後の刺激に反応し影響を及ぼ してしまうこと」などを示しています。
例えば、昔子供達の間で流行った言葉遊びで友だちにピザピザと 10 回言ってもらい、言い終わった後にヒ ジを指すとピザといってしまいます。
このようにプライミング効果と文脈効果の関係を考えると面白いと思います。
このように文の脈絡を考える際に名詞や動詞など単語を上手く配置することによって読み手の印象がガラッ と変わり文書自体が変化します。
ブログなどのライティング作業の際に文脈効果などを考えて制作するとよいかもしれませんね。
認知不協和の違和感を狙う
先月のヒューマンスキルブログの認知不協和について少し深掘りをして述べてみたいと思います。
書籍や Web で調べると、認知不協和とは「人が自身の認知とは別の矛盾する認知を抱えた状態」などと述 べられています。
認知不協和は、米国の心理学者のレオン・フェスティンガーが理論として提唱をしています。
例えば、ドーナッツなどの甘いお菓子などは体重増大などで健康を脅かし悪い影響を与えるとしてます。
また、テレビや新聞などでも油を使ったスナックやお砂糖を多く含むものはソフトドラッグといわれており、 体にあまりよくないと報じています。
スナックやお菓子を好む人にとっては、お酒やタバコなどで悪くなる病気の方が圧倒的に多いと都合よく 考えてしまいます。
このように認知不協和を抱える心理状態でモヤモヤした矛盾を抱えると、いずれ人は解消をしたく自分なり の都合のよい思いで心のモヤモヤを解消をしようと思います。
また、広告やデザインなどで考えると昔テレビで流れていた C M で、映画やテレビで悪役を多く演じる男性 俳優が一般的にあまり美味しくないとイメージを待たれていた青汁をコップ一杯に入れグッと飲み干して、 画面いっぱいに顔を映しながら「まずい!もう一杯」と空いたコップで要求していることも認知不協和に なっているのではと考えます。
先回のブログでも述べたようにビジネス書籍に並んでいるブラックな心理学やグレーな人を操る方法など のタイトルがついているのも「えっ何だ、コレ」と 違和感を狙った認知不協和であると思います。
普段ビジネス書では使われないようなカラーの真っ黒な表紙やショッキングピンクの表紙も違和感を感じさ せるように仕向けてることも同じことだと思っています。
広告宣伝などのコピーやデザイン表現に於いて、消費者の認識に対して違和感を持たせるような表現の仕 方も手段として有効だと考えます。
出典:2014 年 1 月 8 日 . 株式会社西東社(刊). 齊藤勇(著).「面白いほどよくわかる!「男」がわかる 心理学」・出典図:公益社団法人日本心理学会(著)サトウタツヤ .「心理学ワールド 69 号ー心理学史の 複線径路 [ 第 8 回 ] 文脈効果ってブルーナーがきっかけだってよ」・2017-05-16.2018-07-10.web 活用術(著)高木浩一 .「文脈効果とは?同じ商品でも価値を上げるマーケティングの使い方」・フリー百科 .wiki pedia.「ジェローム・ブルーナー」
今回もデザインとマーケティングブログにお付き合いして頂き、誠にありがとうございました。
これからデザインとマーケティングブログを宜しくお願いします。
文 / デザイン・マーケティング担当 太田正信