以前にも述べたと思いますが、心理学には様々な種類があります。
代表的な例では、発達心理学や臨床心理学、産業心理学などがあると思いますが、特にマーケティングに 関する書籍やwebの記事で私がよく見かけるのが認知心理学や社会心理学などに関係するものです。
マーケティングに関して見て行けば、当たり前ですが知覚心理学や社会心理学、認知心理学などは人間の 本質の部分が述べられています。
マーケティングに関する技術を幾ら学び考えていても人の本質を忘れ考えずに横に置いていては、マーケ ティングの本質そのものをないがしろにしているような気がします。
また、人の本質と心理学の関係は学問的に総体的な関係にあると考えています。 人は日常生活に於いて、快と不快の感覚の中で生きています。
では、快と不快の感覚のどちらが情動に対して強く作用するでしょうか?
例えば、風邪を引いた時に一刻でも早く治りたいと思ったことは数限りなく、あなたも経験していると思 います。
冬になると流行る風邪に対してテレビCMでこれでもかというほど各製薬企業から風邪薬の名前が連呼され 流れてきます。
有名な心理学者で精神分析のジークムント・フロイドの快感原則という理論があります。 人は不快感を避け快感を求めるというものです。
会社勤めで起きる精神的苦痛や病気の苦痛に対しては当たり前のように人は不快からいち早く逃避したい と思い考えます。
それに比べて、快感は不快感よりは感覚的に弱いのではと考えています。
人は生活の中で自分が感じる不平、不満や不便を感じる不快感を解消するように常に考えて行動をするよ うにします。
例えば、タイヤ商品開発に於ける不便を解消したモノを2つほどあげると。
1つ目は、自動車の燃費のためにタイヤの転がり係数を良くするためのエコタイヤです。
2つ目は、昔自動車のタイヤは1種類しか販売がなく、雪が降る冬には作業が面倒なチェーンをタイヤに巻 くことでやりくりしていました。
少しでも面倒なことが解消できるようにタイヤメーカーから、冬専用のウィンタータイヤが販売されるよ うになりました。
そして、現在では四季に影響されないオールシーズンタイヤが販売されています。
このように人が不快感につながる不便さや不満を解消し、快感につながる快適さを行うのが、様々なマー ケティングの基本だと考えています。
知覚フィルター
例えば、会話の中で人を色メガネでみるという慣用句があるように人は誰もが個人用フィルターを持って います。
当然それは自分専用のフィルターになります。
知覚フィルターは、心理学者ウイリアム・グラッサー博士の選択理論の書籍などで述べられています。
人は環境下の情報を五感(視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚)の感覚フィルターを通して感じ取ります。
次ぎに自分の体験や経験などで学び持っている知識のフィルターでその情報を理解します。
そして、自分にとってその情報に対して価値のフィルターで有益、無益、有害の判断を行います。
このように人は自分が持っている知覚フィルターで物事の情報について判断をしています。
先ほど述べたように知覚に関することで、海外の心理学に於ける味覚に関する実験などで食器の色や素材、 パッケージなどで、いともたやすく人の知覚や感覚を惑わします。
このように人の知覚は直近の周囲の情報の刺激によって心象の変化を起こしやすくなるということになり ます。
以前、私が買い物に立ち寄った大手スーパーマーケットでリズムの速い BGM が流れていました。
私はどうしてそのような BGM が流されているのかをどうしても知りたくなり書籍で調べてみました。
調べるとスーパーマーケットの運営側が購入者の購買意欲を高めるためと述べてありました。
このような心理学を応用したマーケティング活動は、私達が普段あまり意識をしていないところで様々な かたちで行われているようです。
なぜなら環境による周囲の状況の情報や刺激によって人の感覚は変化をします。
認知心理学のメンタルモデルとは
メンタルモデルの定義とは、「メンタルモデルとは、頭の中にある「ああなったらこうなる」といった「行 動のイメージ」を表現したものである。」とされています。
端的にいえば、人が持っているものの捉え方や見方、考え方を示します。
メンタルモデルも知覚モデルが示す感覚や知識、価値観などと関係があるからです。
人はすべて自己と他者に対する知識や価値観の違いがあり、それに関係する自己のメンタルモデルが存在 します。
また、それぞれの年代に於ける経済状況によって育った環境も異なるためターゲット層によりメンタルモ デルが違うと考えています。
マーケティングのために異なるメンタルモデルを考えてみることも重要だと思っています。
出典:フリー百科 Wikipedia.「メンタルモデル」「快感原則」
今回もデザインとマーケティングのブログにお付き合いして頂き、誠にありがとうございました。
これからもデザインとマーケティングのブログを宜しくお願いします。
文 / デザイン・マーケティング担当 太田正信