先回のデザインとマーケティングの中で人は快感よりも不快感の方が強いと述べました。
本来なら快感と不快感というテーマについては進化と関係した深い内容でしたから改めて、もう少し深く 掘り下げて説明をしたいと思います。
人の進化について、あなたもある程度の知識はあると思います。
ヒーマンスキルの中でも少し説明をしていると思いますが、人が購入するサービスや商品には少なからず 人が進化してきた歴史との因果関係があると考えています。
何故かといえば、先ほど述べたように人の快感と不快感にはすべて人の進化と深い関係性があるからです。
人の起源についてはまだ考古学上では、明確的にハッキリとなっていませんが、定説として約 500~400 万年ほど前とされています。
考古学上に於いて、明確になっていませんが原生人類としては約 20~30 万年前とされています。
なぜ、このようなことを述べているかといえば、私たち人類の脳に関しては基本的に原始時代の 30 万年前 と余り変わらないとされています。
そのために人の本来の習性や外部環境による反応も原始時代と大きく変わらないとされています。
当たり前だと思いますが、だからこそ快感も不快感も人が備わった習性を基本としてマーケティングを考 えた方が自然だと考えます。
少し前置きが長くなりましたが、人が持っている習性とマーケティングを考えてみたいと思います。
人は嫌なことを避ける
当然、誰でも嫌なことは避けたいという思いが強いと考えます。
特に生命に関する危険なことや気分を害する嫌なことに人は強く反応します。
私の尊敬する経営者とよく経営について話しをしています。
ある時に尊敬する方から私に「人の嫌がること面倒くさがることが大きいビジネスにつながる」と話され てたことを時折、思い出しています。
また人は、購入するサービスや商品に関しても安くても嫌いな人から買うよりも少し高くても好きで信用 できる人からモノを購入したと考えますから、人は合理的に考えるよりも不合理でも感情的に事柄を考え ています。
例えば、昔よく聞いた、人が職に就きたくない 3K(キツイ・辛い・汚い)ビジネスは、今でも多くの若い 人たちは余り好みませんが...。
しかし、経営として考えれば 3K職業ほどビジネスで大きくなる可能性は多分にあると考えます。 先ほどから述べている人の習性を顧みると、人類の祖先が原始時代に石斧や槍がない時に素手で肉食獣に 追われて食べられるかもしれないとビクビクとした長い歴史を過ごしたことにより、緊急時に脳は戦うか また逃げるかの二者択一しかないとしています。
今でも人の脳は原始時代と変わらない習性が強い、このようなことも踏まえて先回の快と不快について述 べます。
不のマーケティングについて
生活する上で不快感に関する表現で不満や不便などの言葉があります。
以前、私がモノ作りのデザイナーをしながらマーケティングについて調べていた時にマーケティングの書 籍に端的な表現で人が求めるすべての事柄に於いて、快か不快のどちらかのテーマに尽きると書いてあっ たことを覚えています。
確かに生きて行く上で端的にいえば、快か不快をテーマとして考えて企画して行けばいいと考えます。
昔から、人間社会に於いて文明の発展も人々の不満や不便をなくすことを基本として発展しました。
長い間人類は、狩猟採集で生計を立ててきましたが、餓死をなくし多くの人が食べられるように稲作文化 の発展によって人類が繁栄をし現在があります。
例えば、人の命に関していうと生命維持が難しければ難しいほど薬や医療分野などのサービスや商品は高 価になっています。
また、健康維持のサプリメントや健康維持食品も高価な方が売れるとまでいわれています。
現在はストレス社会といわれるほど、ストレスにまつわるメンタルクリニックや健康グッズ、健康食品な どのテレビ CM や Web 広告宣伝がうるさいぐらい流れてきます。
需要のパイに於いて、サービスや商品の重要がそのぐらいの市場シェアがあるということになります。
私の関与先にも以前より不のテーマの開発企画案について説明をしています。
例えば、あなたが知っている有名な乳酸菌飲料などは以前は漠然としたコピーで日々の健康のために愛用 しましょうぐらいのことしか宣伝をしていませんでした。
今では、飲料も明確に細分化され睡眠や感染予防、消化促進、ダイエット、鉄分成分などの強化や用途を 訴えるようになっています。
それだけ、快よりも不にまつわるマーケットが日本では以前よりも大きく伸びて行くと考えています。
特に今後日本社会に於いては不を避けるようなサービスや商品需要の傾向は益々要求されて行きます。
それは、また今後他の先進諸国も需要のパイは同じぐらい大きいとも考えています。
先回から取り上げている快感と不快感というテーマについても深く掘り下げれば下げるほど、あなたのマ ーケティングの価値が深まると考えますがいかがでしょうか。
人の進化について再度繰り返しますが、人はサービスや商品に関してもいくら安くても嫌いな人から買う よりも少し高くても好きな人からモノを購入したいと考えますから、人は合理的に考えるよりも不合理で も感情的に事柄を考えます。
このような傾向がマーケティング要素に強く反映していると考えて貰えばと思います。
次回も進化心理学を交えながらマーケティングについて述べたいと思います。
尚、大局的な感想になりますが、これからのマーケティング開発に於いて重要なのは、1 つの題について どのぐらい深掘りができるかが開発力にかかってきます。
今回もデザインとマーケティングブログにお付き合いして頂き、誠にありがとうございました。 これからもデザインとマーケティングブログを宜しくお願いします。
文 / デザイン・マーケティング担当 太田正信