ヒューマンスキル

コミュニケーションについて

新年を迎えて昨年から続いている認知力とコミュニケーションを今月も少し述べたいと思います。
なぜ、コミュニケーションについて長い期間説明しているかという理由の 1 つは、コミュニケーションの難しさについて、対人関係に於いてはとても重要なスキルだと考えているからです。
2 つ目は、誰にとっても考えなければならない仕事に於いて重要なツールだからです。
多くの人はコミュニケーションに於いても実践的な手法のテクニカル的な方向にどうしても目が行きがちですが、やはりコミュニケーションについては、認知心理学などの基礎的なところを押さえておくほうがよりコミュニケーションについての造詣が深まるのではないかと考えています。
最近社会人の勉強のリスキリングなどの話題をよく見かけます。
私は貴重な時間を使い学ぶことは意義があり、とても良いことだと思っていますが、
ただし何ごとも手っ 取り早く学ぶような考え方に疑問も少し感じています。
私の周りにも手っ取り早く学んだ方が良いという考えかたの人がいますが。 寄り道してしまいましたが本題へ。

ノンバーバルコミニュケーションからバーバルコミュニケーションへ

私の拙い知識で申し訳ないのですが確か人類のコミュニケーションの発達に関してノンバーバルコミニュ ケーションから進化したと書物などで覚えた記憶がありますが・・・。
以前にも述べましたが改めてノンバールコミュニケーションとバーバルコミュニケーションは、辞書など で調べると「バーバルコミュニケーション」とは、口頭や会話、言語を用いた文字、印刷物などを指しま す。
また、「ノンバーバルコミュニケーション」とは、会話などを除いた表情や仕草、身振り手振りなど動作、目 線、写真、絵図などを指します。
私たち人間は、動物分類学的な見地からみるとチンパンジーやゴリラ、オランウータンなどの霊長類に属 しています。
特に霊長類の人に近いゴリラなどは、言葉が使えないためノンバーバルコミュケーションにより表情や目線などである程度相手の感情を読み取っているようです。
人間の進化の歴史からコミュニケーションを振り返ってみると人が二足歩行が始まった原始時代では、まだ言葉が存在しないためにノンバーバルによる身振り手振りの動作や「アー」「ウー」などのなき声で相手 と意思疎通を図ったようです。
人間の意思疎通に関して、今述べたように他の霊長類と同じようにノンバーバルコミニュケーションから 始まったと考えられています。
以前からヒューマンスキルでお伝えしているようにコミュニケーションを生かすためにも会話に於ける基礎 を考えためには、ノンバーバルコミニュケーションを少しでも学んだ方がいいと考えた方が効率的だと思 っています。
ヒューマンスキルのブログで数回に渡りコミュニケーションについて述べている理由の1つは、人とのコ ミュニケーションを行うことは、この歳になってとても難しく難題なことだと嫌というほど分かってきた 老婆心からです。

人間の本質を考えてコミュニケーションを行う

米国の心理学者アブラハム・マズローが説く、欲求 5 段階説があります。
最初の一段階は「生理的欲求」2 番目「安全の欲求」3 番目「社会的欲求」4 番目「承認欲求」最後の5番 目の「自己実現」という順番になっています。
多くの人たちは、日常生活に関しては最初の「生理的欲求」や「安全の欲求」は満たされていると私は思 いています。
そこで、コミュニケーションについてのポイントは、「社会的欲求」と「承認欲求」の 2 つがキーになって くると考えます。
人は誰しも等しく自尊心がありますから、気を付けて相手の動作仕草など感じながら言葉を選び、相手の 自尊心を傷つけないように考えながらも相手の「社会的欲求」や「承認欲求」を満たしながら物事に対し ての価値観を探りながらコミュニケーションを図ることが大切だと思っています。
以前にも述べましたが、人の性格については、十人十色ですから物事の考え方や価値観は千差万別です。
だからこそ、余り親しくないうちにいたずらに自分の考えや価値観について話すことは適切ではないと考 えています。
コミュニケーション行うこととは、相手をよく知ることから始まり応対を慎重に記することが肝要だと考 えますがいかがでしょうか。

コミュニケーションは相手に共感することが重要

商談などを行う際、こちらに合う前に相手に嫌なことがあったりするとせっかく打ち合わせに望んでも商談成立の可能性が低くなる場合があります。
そのような場面に出会すことは、誰にも経験があると思います。
残念ながら顧客と同じ内容を打ち合わせても、相手のその時その時の感情によって受け取り方が大きく変わってしまいます。
誰しも人の子ですから、商談に於いても顧客も気分が悪い時に感情を引きずるのは当たり前だと私は考えています。
多くの本で述べられているように人間は理論や理性的ではなく感情的な生き物と多く述べられているよう に如何に会話で、相手に対してその場の気分をよくして貰えるかを考えるのも重要なコミュニケーション スキルだと思っています。
コミュニケーショに関してよく聞く言葉で、相手に寄り添うことが会話で大切だといわれています。
コミュニケーションを考えるとやはり相手との共感を中心に相手の情動や感情に寄り添うことを主眼におくことがキーポイントだと考えています。
昔、私が営業・販売についての講演会で複数の参加者のみなさんに物やサービスの購入に関して聞いたことがあります。
講演会の中で私が質問したのは、物やサービスを購入する際に販売担当者の印象を聞いたところ多くの参加者が「少し価格が高くても自分が好きな人から買いたい」「価格が安くても自分が嫌う人からは買わない 人」と答えていました。
このように仕事だけではなく、対人のコミュニケーションに於いては常に感情や考えがつきまといます。
仮にその場限りの相手に共感を装っても必ずその思いを見抜く人はいます。
私の尊敬している経営者も鋭いので、相手が共感を装ってもすぐに見抜くと考えます。
また、営業や販売於いて応対する相手がクレーマーなどの傍若無人な方は共感することは無理だと考えますが、販売担当者の対応が露骨に仕事だと見え、余り割り切るようなぞんざいな対応の方だとそれなら販 売専用ロボットの方がましだと思ってしまいます。
営業や販売のコミュニケーションに於いて、サービス精神を持てと述べているのではなく、あくまでも自然に人に対して共感し寄り添えるように心がけることが大切だと思っています。

出典:2012 年 5 月 31 日(刊)幸福の科学出版株式会社(著)平林千春「なぜ、その商品が欲しくなるの か」・(著)2021 年 6 月 30 日(刊)一般社団法人 東京大学出版会トム・スコット・フィリップス(訳) 西村義樹 他「なぜヒトだけが言葉を話せるのか コミュニケーションから探る言語の起源と進化」・2008 年 11 月 5 日(刊)株式会社岩波書店(著)ディラン・エヴァンス(訳)遠藤利彦「感情」

今回もヒューマンスキルブログにお付き合い頂き、誠にありがとうございました。
今年もヒューマンスキルブログを宜しくお願い致します。
文 / デザイン・マーケティング担当 太田正信

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