今月も講読して頂きありがとうございます。
当月は、「デザインを考え、振り返る」に関してですが、先月の続き「デザイン系以外の知識が必要か」の続きを書きたいと思います。
デザイン表現のためのプラスα
デザイナーが10人いれば、10通りのデザインの表現があると思いますが、その中でより他のデザイナーとの違いを知識や経験で出せるかを考えることが重要だと思います。
デザイナーが表現者として生み出す着想も知識や経験からくるものが大きいと考えます。
書籍を手にする事だけではなく、音楽・美術鑑賞や旅行など様々な経験や体験も大切ですし、また好き嫌いは別として書画骨董なども表現者としての目を肥やすことになると私は思っています。
日本語に”審美眼”という言葉もありますから美術品を多く見ることもデザイナーの大切な素養になると思いますが如何でしょうか。
私の経験ですが、仕事に於けるデザインの失敗や挫折もいずれ、他の仕事の表現として生かせる事になると思います。
言い換えれば、様々な体験や経験をすればするほど後々あなたの創作するデザインに必ず生きてくると考えています。
もう少し知識に関して述べると例えば以前に得た情報を新しく他から得た情報に足したり引いたりし、ジグゾーパズルのように組み合わせたりする事も大切だと思います。
また、新しい情報をもう少し深掘りし、読み解いたりすることも大切だと思います。
私のようにある程度の歳をとると過去に得た経験や体験による財産価値が沢山あると思う事があります。
ただ、現在も過去に甘んじる事なく新しい知識などを得るように努力して行く必要があると思います。
デザイナーとして
少し本題から外れてしまいますが、プロとしてのデザイナーという職業は売り買いの商業ベースがあってこそ成り立ちます。
デザイナーは、クライアント先の要望をデザインという表現で満たすことが仕事です。
私も多くの経験をしましたが、デザイナーという職業についているあなたもクライアントが望んでいるその要望を聞き出すことに苦労されていると考えます。
なかなか難しいことですが、プロとして重要な要素、依頼先のクライアントが持っている隠れた要望を見つけ聞き出すことが出来るということがデザイナーの技術の一つです。
勝手な推測ですが、中堅以上の企業であれば営業担当者と一緒にクライアント先に出向くと思います。
私も経験しましたが、特に個人で自営の方は一人で営業とデザイナーの立場、2 つのポジションでクライアントに対峙し隠れた要望を見つけ聞き出す必要があり大変だと思います。
クライアントの隠れた要望を聞き出す方法もありますが、その方法はいずれこのブログで述べてみたいと思います。
デザイナーが陥りやすいバイアスの一つ
ヒューマンスキル「人を知る」のブログでも述べましたが、認知バイアスに陥ったり、囚われたりしやすいのが人という生きものです。
デザイナーの職業的によくありがちなバイアスの例として、クライアントから依頼された案件に対して精一杯努力して、デザインを仕上げた時に自分が作り上げたものに自信を持ってクライアントに提案します。
しかし、あまりにも自信を持ち過ぎると客観的な視点を失ってしまいます、当たり前のことですが…
客観的視点がないといくら自分が納得し良い表現だとしても残念ながらクライアントなどから共感や納得感は得られません。
共感や納得感の得られない表現は一人よがりになってしまうと考えます。
そのような時は、数日空けて改めてその表現を見直して貰うと良いと思います。
ほとんどの人間は、大なり小なり自己バイアスが掛かっていますから、特にデザイナーは日頃から思い込みに対して注意をしながら創作活動を行うことをお勧めします。
また、ある調べによると認知バイアスの数は100以上もあるようなので要注意です。
デザインを表現するために
デザイナーという仕事はクライアントから依頼された課題の締め切り日までの制作時間との競争だと思います。
また、仕事は初動が重要になります。
仕事として頂いた課題の締め切り日から逆算して、表現する骨格となるテーマとコンセプトを作成する必要に駈られることになります。
骨格となるテーマとコンセプトを考えることはデザイナーとしては、当然重要です。
今回は書くページが少なくなりましたので、次回に「デザインを考え、振り返る」の続きと「マーケティング」について述べたと思います。