消費マーケティングの変化
ここ数年コンテンツマーケティングの中で、熱い推し活マーケティングに関して少しばかり述べてみたい と思います。
全世界でコロナが流行して 5 年~6 年経ったと思いますが、日本でもコロナの流行で消費構造が変化し部 分的に影響があったと思います。
市井では少なからずコロナの影響で若い人の中で大人とコミュニケーションが上手くとれないなどと流布 していました。
また全世界の SNS の大きなグローバルリズムによって日本社会でも価値感の変化に影響もあって、消費傾 向も大きく変わってきました。
先月のデザインとマーケティングでも述べたように過去の消費経済傾向について、1960 代の高度成長期 からモノ消費といわれた 1970 年代からコト消費の 1990 年代そしてトキ消費の 2010 年代そしてイミ消 費 2020 年代、今後はエモ消費と述べたと思います。
その中で、感情消費傾向に関わるキーワードとして通称エモ消費、いわゆるエモーショナル消費だと伝え ました。
またブログでは、感情消費で泣けるコンテンツに対しても多くの若い消費者に求められていることも述べ たと思います。
少し、くくり方としては大雑把ですが推し活も同じエモ消費の中の一つと私は考えています。
改めてエモ消費の中の推し活など含めた、これからのマーケティングを考えてみたと思います。
推し活の源流と日本文化
改めて、私たちの日本には古くから推し活文化が根づいており、2025 年 12 月現在 NHK 大河ドラマ 「べらぼう」で江戸時代 1773 年ごろから 1797 年ごろに活躍した浮世絵出版で有名な蔦屋重三郎の一生を描いています。
また、蔦屋重三郎は版画にとどまらずに美術品などにも影響を及ぼしたとされています。
「べらぼう」で売れっ子の歌舞伎役者絵や人気のある町娘などの浮世絵を出版するまでの浮世絵師、劇作家、刷り師など浮世絵が完成するまでのやり取りの過程を見せています。
このように日本では、昔から様々な人気者を絵姿や写真に映して応援する文化があります。
例えば、昭和 20 時代~40 年末頃までは映画俳優やアイドル歌手のブロマイドが書店や雑貨店などに並べ て置いていたように思います。
現在では、どこの雑貨店などでも、ほとんどみかけることはありませんが...。
近年、戦後の推し活アイドルの世界で、団塊の世代では男性アイドルのはしりの男性グループや御三家、 三人娘、ロカビリー、その後グループサウンズや中三トリ、ぶりっ子アイドルなど多くが生まれており、 現在の推し活まで長い歴史があり続いています。
エモ消費
改めて 1970 年モノ消費以降の消費経済の推移を述べると、2000 年代のコト消費とは習い事や旅行などの 体験型消費などでお金を使う消費経済活動を指しており、2010 年代のトキ消費とはライブやコンサート など時間や場所など限られた期間や時間の中でお金を使うことを指しています。
2010 年代のイミ消費とは、地域の清掃活動や生産者を助けるフェアトレード社会的意義のボランティア 活動や商品購入に対する貢献を考える活動を意味し、2020 年代のエモ消費とは荒川和久氏が「超ソロ社 会」の中で「エモい」を使われており、一般的に英語のエモーショナルからきた造語です。
エモいとは、一般的に自分が可愛いと感じたモノやコトがらを指しています。
推し活とは、エモ消費の具体的な消費の一つで、このエモ消費に関しての推し活は今では日本に留まらず 全世界にまたがった消費活動にもつながっています。
世界的にみると私の記憶では 1980 年代初頭に海外の少数のマニアの愛好家から一般に広まったコミック 本・キャラアニメ、そしてジャパニーズロック、J ポップブームから始まったように考えています。
私としては、一般的にはイマイチの評判ですが、経済産業省主催のクールジャパンも日本のコンテンツ産業の情報発信に関しては海外に推し活を広めたことに一役かったのではないかと思います。

推し活とは
いろいろな辞書で推し活を調べてみると「自分好み良いと思う、アイドルやスポーツアスリート、俳優、アニメキャラ、ライバーなど自分の好きな推しとして、推奨し応援する」ことを意味します。
また、推し活マーケティングとは「エンタメ企業などが、その熱狂的なファン心理をたくみに利用して、グッズ商品やファンミーティングのイベントなどエンタメサービスの消費を行うように促進し、そして目的のターゲットのフアンにより購入を進めるマーケティング」のことを指します。
そして現在の商業ビジネスでは、もう推し活は日本文化や経済の立派な商業ベースの一つ柱になってきています。
推し活分野に於ける知的所有権は巨額な権利を生み、そして世界の経済に影響を与えるビジネスの要素にもなっています。
また、次の機会にファンマーケティング分野について述べたいと考えていますので、お楽しみ!
出典:Wikipedia.「蔦屋重三郎」.Wikipedia.「コト消費」.Wikipedia「エモい」・weblio.jp.
今回もデザインとマーケティングブログにお付き合いして頂き、誠にありがとうございました。
これからもデザインとマーケティングブログを宜しくお願いします。
文 / デザイン・マーケティング担当 太田正信
