デザイン/マーケティング思考

時代の変化とマーケティング

今回は、時代の変化とマーケティングについて私なりに述べてみたいと思います。
特にここ数年 Web 記事の多くが ChatGPT や Gemini などについての使い方などが話題に上っています。
年齢がいっている私には、それらに対応して行くために息切れしそうになります。(苦笑)
当然、Web マーケティングを中心に私も考えていますから時代に添って行かなければなりません。
いつも思うことなのですが、人としての基礎的な思考性を考えて行くことも重要だと思っています。
このことについては、弊社代表の鈴木も同じ考え方をしております。

では本題へ、時代の変化とマーケティングについて述べます。
いつも通り私の体験で申し訳ないのですが、私が生まれ育った時代は日本がまだ物が少ない時代で高度成長 期に入って行く時でした。
先回もブログの中で述べたましたが、美大を卒業して雑貨インテリアメーカーに就職し、企画デザイン部門 と生産部門の兼任で物作りを経験しました。
その時代は、まだまだ物に対して多くの人の購買意欲が高い時代だったので会社から製品を出荷すればする ほど、多くの商品が売れた時代でした。
若い方もご存じだと思いますが、バブル崩壊によって好景気は失われました。
そこから約三十数年間、日本経済は今だ低迷のさなかにいます。 経済が低迷だからといって、当然すべての商品が売れていないわけではありません。

共感力

約十年前なら大手企業は広告代理店を通してテレビ局で CM を流してもらえれば、それなりに消費者の購買 意欲を高めることもできたと思いますが、そのような方法は現在は通用しなくなっています。
今の時代、特に若い人たちにとっては企業 CM 自が流れてくること自体がうるさいとか、うっとうしいと感 じているようです。

それについては、テレビだけではなくて Web でも見たくない広告がいっぱいありますから同じことがいえ ると思っていますが...。 なぜ、そのような時代になったのかを考えると私たちの世代に比べて、物質に恵まれている若い人たちの環 境下で物があふれていることも一つの要素だと考えています。

また、以前よりも近年の CM などコンテンツは押し付け的な要素があると私は思っています。
以前、有名なマーケッターの方がコンテンツに煽りの要素を入れると物が売れると説明がありました。
その時代、その時代によってマーケティングの手法は変化するは当然です。
ここ数年、私がマーケティングの傾向を色々見聞きするなかで、方向性で多く語られているのが、共感という テーマです。

共感に関していえば、この間も病院の待合室で女性同士がおしゃべりをしているところを見かけたのですが、 話をよく聞いているとその時、初めて出会った方だったようです。
それに比べて、少なくとも男性諸氏は、みなさんが推し量ったように黙って座っていますから、女性のよう に初めて会っても打ち解けて話す、そのようなことは男性では皆無ですね。
それも進化論的なことからきているのだと私は思っておりますが...。
特に消費傾向に影響がある女性層にとってのキーワードである共感は当たり前といってしまえば終わりなの ですが...。
私もそうなのですが、中々男性が女性の心理に対して、よく理解をすることが自体が正直にいうと苦手でも あります。

新奇性とノスタルジー

人は、物事に飽きやすいが環境下の影響も受けやすい。
今年の消費者意識についての色々なデータから読み解いてみると。
先ほど、述べているように企業が流している商品のイメージなどのありきたりの CM では、もう消費者は 関心を示しません。

これは、テレビドラマ制作や映画制作に於いても同じことがいえます。
企画ものが一つ当たれば、同じような傾向のものが作られていますが、視聴者や消費者は何も考えてないか らと同じものを作ればと、考えるようであればクリエイターとして失格と考えます。
仮にクライアントから依頼があってもクリエイターとしては、蹴っ飛ばすぐらいの意気込みのプランニング 力があったほうが周りは頼もしく思うと考えます。

以前、私は周囲が反対した企画で会社のオーナーから同意を貰いモノを市場に出してそれなりの売上げを 伸ばしたことを覚えておりますが...。
人が必然的に持っている性質として少なからずコンサバティブ(保守)的な傾向もありますが、逆にプログ レッシブ(進歩)的な傾向も持っています。
なぜ、このようなことを述べているかというと、人は少し刺激がある新奇性を好む傾向があるということ です。

人は見たことのない新しいモノや風景に惹かれるところがあります。
私が考える、人の源流を考えると約一万年ほど前から始まった農耕生活より以前は長い間獲物を求めて移動 を繰り返す放浪生活を送っていました。
断言はできませんが、わりと人が単調な生活や物事に飽きやすいと感じる要因の一つとして、あるのではと 推測をしています。

故きを温ねて新しきを知る

なぜ、若い人たちが古いレコードやカセットデッキなどを買い求めてしまうのか、理由を考えてみると私た ちオールドエージの育った時代は、自分たちの環境にあり使用をするのが当たり前でした。
しかし、今の若い人はレコードのノイズやカセットテープのモノラル的な音が新しく、面白く感じているの ではと考えます。

過去に流行った 80 年代のニューミュージックの歌が少し前から海外のヤング層に受けて、曲が逆輸入され て現在見直されているようです。
またヤング層に対しては、数年前からスイーツで固めのプリンやクリームソーダなどもあります。
私たちにとっては、まったく目新しくはないのですが...。

とにかく、人は老若男女ともに意外性や面白いモノ、新しいことに対して興味を持ちます。
自分の青春時代を振り返ってもヤング層に関しては、特に物事に対して抵抗感が少ないと考えます。

また、この間見た web の記事に海外のノスタルジーマーケティングのことが載っていました。
このようなノスタルジーマーケティングに関しては、以前より国内の web の記事で散見されています。
海外国内に問わず、知らず識らずに自分が生まれ育った環境や親が育った環境下の影響を受けていると想像 ができます。
デザインやマーケティングをプラニングする際に於いては、人に備わった性質を上手く生かすことが一つの 大きな要因だと考えます。

今回もデザインとマーケティングにお付き合い頂き、誠にありがとうございました。
今後もデザインとマーケティングを宜しくお願い致します。

文 / デザイン・マーケティング担当 太田正信

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