はじめに
以前、デザインとマーケティングでも物語について、述べいますが今回もう少し物語に対して考えてみたいと思います。
企業の商品やサービスの PR などに於いて、コンテンツ制作はとても有効だとされています。
それ以前にも述べたように長い原始時代の人の生活慣習に根づいたことからきたものだということのようです。
当然、昔は現在ほどコミュニケーションをする手段は少なく電話やパソコンが発達する前は、リアルに人 と人が面と向き合って話し合うことによってお互いが色々と学び、また様々な社会的な通念を覚えて行く というかたちでした。
今の時代のように何もかも一般的にデジタルで処理をしている時代はつい三十数年ほど前であって、どちらかとえば、それまでは基本的にはアナログの時代が長く続いていました。
私からみれば、今のようにスマートフォンやデスクトップパソコンなどの登場に関しては、つい最近のように思ってしまう感覚です。
今は、バイラルマーケティングというかたちで口コミ情報に於いては、人々の評判はデジタル機器で表現 しレビューされるようになっています。
それこそ大昔の神話や昔話は、幼い子供たちにストーリーテラーとなる人が教訓などを与えて、口伝えで多くの人たちに広がったと考えます。
物語とブランド
世界的な有名老舗ファションブランドなどは、ブランドの歴史やデザインを語っている。 誰しもが知っている、ルイヴィトンやエルメス、ティファニーなどの名前を聞くとブランドにまつわる歴 史や幾つかのデザインなどが脳裏に浮かぶと思います。
私がデザイナーだったせいか、ルイヴィトンと聞くと、「ダミエ」「モノグラム」などの模様がすぐに頭の 中に浮かびます。
それだけ、人の記憶には物語とブランドが密接に結びついているということです。
それは、当然私だけではありません。
これも以前のブログで、認知心理学についてで述べましたが人の記憶の中でブランドとしての幾つかの映 像や言葉などは、符号の固まりとしてスキーマーのかたちになっています。
それだけ、物語は多くの記憶の符号を含むので、企業名や商品名などを人に知って貰うには大きな影響を 与えるものだということです。
かといってもすぐには、多くの人に自社の企業名や商品名を知って貰えるわけでもありません。
しかし、自社のコンテンツを上手く物語として作成して地道に情報発信をして行けば自社や商品の存在を 知って貰う可能性は、一段と大きくなると考えています。
尚、スキマーについてはブログの中で述べていますから読んで貰えればと思います。

ドラマでの物語の構成
以前のブログでも述べたのですが物語の作成に於いては、作り手側の物語のさばき方や料理の仕方で美味 しくも拙くもなるのではと思います。
一般的に物語を起・承・転・結の構成で考えた場合、コンテンツ構成をどのように調理をし味付けを行う ことが一番のキモになるかと考えています。
例えば、探偵が登場するありがちな物語で考えてみると物語が発生した殺人事件を簡単に四部構成で起・ 承・転・結までを表現すると下記のような構成になると考えます。
四部構成としては、起「謎の発端」承「謎の問題点」転「問題点の対策」結「事件の解決」のこのように なります。
コンテンツ例
起:或る日の朝、小さな下町の無人駅で起こった殺人事件。
殺された人物の傍にはダイイングメッセージ が残されていた。
承:現場に早くも数人の刑事や鑑識官たちが来て現場検証を行っている。
そこにボサボサ髪をし、よれよ れのダークブルーの長めのコートを着た風采が上がらない探偵風の男が登場した。
転:傍から見ていた男は、殺された人物の傍に書かれていたダイイングメッセージを勝手に、いとも素早 く読み解きながら驚く刑事たちをよそめに説明をし始める。
結:いぶかしがりながらも刑事たちは、探偵風の男が推察したダイイングメッセージの裏付け取りをしに 奔走して行く。
その後、殺人事件は解決に向かって行く。
物語のあらすじの構成としては誠に簡単ですが、例えば私が物語コンテンツ制作する場合は、このような 形にすると考えています。
この例では、自社名や商品名の参考にはならといわれるかもしれませんが、創造性があるクリエーターで あれば、このような物語を自社の商品名やサービスに置き換えてコンテンツ制作ができると考えます。
とにかく、自社のコンテンツをいかに物語にし、消費者に訴えかけるかが腕の見せどころになるのではと 思います。
また、特に導入部分である起にあたるところは、読み手のフックになるところだと考えいますから、ここ のところをどのように読み手に印象をあたえ、惹きつけ記憶に残すかによって物語のコンテンツとして勝 負が決まってしまうと思います。
今回もデザインとマーケティングにお付き合い頂き、誠にありがとうございました。
今後もデザインとマーケティングを宜しくお願い致します。
文 / デザイン・マーケティング担当 太田正信